欧州連合(EU)の行政機関である欧州委員会はこのほど、無線周波数帯戦略についての見解をFAQ形式で発表した。米国や日本などに対する市場競争力を保つために、使用周波数帯の調整などEU域内の無線通信市場のハーモナイゼーションが必要であるとして、EU市場全域において2010年までに周波数帯などを統一する必要があるとの見解を示した。
無線通信は携帯電話、無線インターネットなど種々の局面で使用されるようになってきているが、現状ではEU域内の加盟各国で異なった周波数が使用されているという。その結果、EU市民は隣の国に移動した際に従前の無線端末が使用できなくなるか、あるいは多地域対応型の端末を使用する必要があり、不便で非効率的であるとの指摘がされている。さらに国境付近では、隣接する国同士の周波数帯によって干渉などを受ける技術的な障害があり得ることも指摘されており、その是正措置の早急な実施も求められている。
そこでEUでは、現状では各国ごとに規制がなされている周波数帯の管理を、EUレベルで行なうことを提案した。EUでは、ハーモナイゼーションにより年間80億~90億ユーロの効果が出るのではないかと試算している。
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■URL
ニュースリリース(英文)
http://europa.eu.int/rapid/pressReleasesAction.do?reference=MEMO/05/345&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
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( Gana Hiyoshi )
2005/10/04 21:20
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