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「“オタク像”は5タイプに分類できる」～NRIマニア消費者層調査 |
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野村総合研究所（NRI）は6日、「アニメ」「コミック」「ゲーム」など12分野における、日本のマニア消費者層の市場規模に関する調査結果を発表した。これら“オタク層”ののべ人口は172万人、市場規模は約4,110億円に達すると推計している。 調査は、2004年8月に行なったインターネットによるアンケート（サンプル数10,003件）をベースに市場規模を類推した。分野別の人口と推計市場規模は、アニメが11万人／200億円、コミックが35万人／830億円、ゲームが16万人／210億円、芸能人が28万人／610億円、組立PCが19万人／360億円、AV機器が6万人／120億円など。 NRIでは、商品やサービスの収集度合い、情報交換や情報発信などを行なうコミュニティへの参加度合いなどについてのアンケートも実施。その結果からオタク層に共通する行動・心理特性を抽出したところ、「共感」「収集」「顕示」「自律」「創作」「帰属」の欲求という6つの因子が浮かび上がったという。さらに、この6因子の強弱のバランスから、“オタク像”を次の5タイプに分類できるとしている。 ● 家庭内でこっそり趣味に没頭する「家庭持ち仮面オタク」
続いて、「我が道を行くレガシーオタク」は、オタク層の23％を占める。独自の価値観を持っており、インターネット上で情報収集および批評活動をアクティブに行なうとしている。5タイプの中では男性比率が最も高く、組立PC、AV機器、ITガジェットなどメカ系分野、および芸能人分野を中心に分布する。典型例は「20～30代のメカ＆アイドル好き独身男性」。 複数のこだわり分野を持つ傾向がある「情報好感度マルチオタク」は、オタク層の22％。若年層が中心で、男女に偏りがない。インターネット活用度が高く、趣味活動への消費時間が多い。オタクであることをカミングアウトする割合が高く、「ネットオークション、コミュニティサイトが大好きで、２ちゃんねるのライトユーザーであるネット住人」を典型例に挙げている。 オタク層の22％を占める「社交派強がりオタク」は、独自の価値観を持ち、他人に趣味を積極的に巻き込もうとするタイプに分類されている。男性が6割を占め、年齢層はやや30～40代が多い。「『ガンダム』など、かつて体験したブームの世界観、価値観が、固定されてしまった面もある一方で、社交性も身に付けた30代男性」が典型例という。 「同人女子系オタク」は、オタク層で最も少ない割合の12％。20～30代が中心で女性比率が圧倒的に高い。同人誌などの創作活動への参加率が高く、趣味に費やす金額と時間が大きい点が特徴だ。典型例は「コミックやアニメに登場するキャラクターへの固執が強く、友達に隠れて大人になっても趣味をひそかに続けている同人誌フリークの女性」。 このほか、産業ライフサイクルを4段階に分類して、オタク層が与える影響を検証。市場創造時にあたる萌芽期では新製品の最初の消費者、成長期では新商品の評価および宣伝、成熟期ではニッチ市場を開拓することにより市場を拡大、安定／衰退期ではノウハウの伝承およびサポート要因と、オタクの役割を分析している。 NRIでは、オタク層を企業のマーケティング戦略上無視できない存在として位置づける。一般的な企業のマーケティングで用いられる「4P」（Product、Price、Place、Promotion）に加えて、収集（Collection）、創造（Creativity）、コミュニティ（Community）からなる「3C」をマーケティングに取り入れるべきだと提唱している。
関連情報 ■URL ニュースリリース http://www.nri.co.jp/news/2005/051006_1.html ■関連記事 ・ 日本の“オタク層”は285万人、市場規模は2,900億円～野村総研が推計（2004/08/24）
（ 増田 覚 ）
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