欧州連合(EU)の行政機関である欧州委員会は7日、著作権とクリエイティブエコノミーに関する会議を開催し、その中で、ネット上の音楽著作権を管理すべきであるとの提言を発表した。
ネット上の著作権については、これまで幾度も問題が発生し、議論され、ある程度の改善は見られている。しかし、問題はほとんど解決していないというのが欧州委の見方だ。そこで今回、欧州委などのイニシアティブが不可欠との見解が示された。
欧州委によれば、2004年のデジタル音楽市場は3億3,000万ドルだったが、2005年には倍増すると見られており、5年後には音楽会社の収入の25%に達するというレポートも出されているほどだという。2004年には1,000万台のiPodを含む5,000万台の携帯型デジタル音楽プレーヤーが販売されたとしており、市場の環境整備は急務だ。
欧州委では、欧州における現状の著作権問題の対処を「19世紀型」と自己評価している。「19世紀型」ではカフェなどでの演奏が想定されており、地域社会を考慮すればよかった。これに対して現在は普遍性が問題となる。
そこで欧州委はまず、国境を超えた著作権保護のためのライセンスモデルを作成すること、およびネット上での集中管理のあり方を模索することが必要であると提言している。そのためには、法的規制および規制当局のあり方に最小限度の変更が余儀なくされるという。また、この問題を解決するために各国で採られてきた方策が検討されたが、一長一短であり、今後の課題であるとしている。
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■URL
ニュースリリース(英文)
http://europa.eu.int/rapid/pressReleasesAction.do?reference=SPEECH/05/588&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
( Gana Hiyoshi )
2005/10/11 19:31
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