米Yahoo!は18日、英国のソフトウェア企業Whereonearthを買収することで合意に達したと公表した。米Yahoo!の公式ブログである「Yahoo! Search Blog」で明らかにされている。
Whereonearthは、特に地理的な情報が関連した検索、例えばローカルサーチなどに威力を発揮する技術を保有している。Yahoo! Search Blogによれば「オフラインの世界では、消費行動のうち80~90%が自宅から8~10マイルの範囲内で発生する」ためローカルサーチ技術が向上すればより適切な広告を表示することができるという。Whereonearthでも、ローカルサーチが全検索のうち15%程度を占めているというデータを提示し、ローカルサーチ技術の重要性を指摘している。
Whereonearthが保有している技術は「Internet Locality」と呼ばれており、現在特許出願中だ。地球の地理情報データと独自のアルゴリズムからなる「GeoPlanet」と呼ばれる仕組みを搭載し、より的確な検索結果を示すローカルサーチが実現できるという。その利点としては、ローカルサーチを当てにした“Webスパム”を減少させたり、特定の地理的な情報に基づいたキーワードによる的確な広告の販売、それによるクリック収入の増加などが見込める。
Whereonearthではこのほか、携帯電話の位置情報に基づくサービスを提供するための技術も保有。これはGPSなどを利用する技術で、携帯電話が存在する位置に基づいて質問に答えたり、カーナビのようなサービスを提供したりすることを想定している。さらに携帯電話の現在位置に基づくニュースや警報といった情報をプッシュするサービスも念頭に置いているという。
Yahoo!では、Whereonearthの技術が「Yahoo!に実装される」とし、Yahoo!のマーケティング、検索、ローカルサーチ、地図、モバイル、パーソナルなどの各種サービスに技術を反映すると説明している。
関連情報
■URL
Yahoo! Search Blogの記事(英文)
http://www.ysearchblog.com/archives/000199.html
英Whereonearthのニュースリリース(英文)
http://www.whereonearth.com/press-release.htm
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/10/19 11:44
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