フィンランドのSetecは、スウェーデンとノルウェーの両政府がパスポートの生体認証技術に、同社の技術を導入したと発表した。両国で発行されるパスポートが10月から、ICチップを埋め込んだ生体認証が可能な新型パスポートに切り替わったという。
パスポートに埋め込まれたICチップには顔写真がデジタル情報として記録されており、その他の情報もICAO(国際民間航空機関)の定めた国際標準に則って記録されるように設計されているという。なお、これらの個々の情報は、個人情報保護のために、いかなるデータベースにも蓄積されず、保存もされないという。
ただし、現状では2カ国のみが導入するにとどまっており、実際の国境検問所などでのチェックはなされていない。Setecは、パスポートの生体認証化においてノルウェー政府と3,000万ユーロ、スウェーデン政府と1億ユーロの契約を交わしたとしている。
Setecは2005年6月、フランスのスマートカード企業のGemplusに買収されている。Gemplusは、銀行カードのICチップ化などで実績がある。今後はSetecを通じて、パスポートなどのIDカードの生体認証技術も積極的に展開する模様だ。
関連情報
■URL
Setec(英文)
http://www.setec.fi/
( Gana Hiyoshi )
2005/11/08 19:19
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