金融庁は16日、相次いでシステム障害が発生していた楽天証券に対して業務改善命令を出した。
楽天証券におけるシステム障害について金融庁では、9月20日に同社に対して障害の発生原因と再発防止策などを報告するよう命じた。これを受けて楽天証券では9月26日付で対応策を報告。システムを増強し、コールセンターのオペレーターを増員するなどの再発防止策を段階的に実施するとともに、システムが安定稼動するまでに障害発生を防止する観点から、キャパシティ管理などの運用管理を徹底する報告書を金融庁に提出していた。
しかし、楽天証券では10月24日にも長時間のシステム停止を伴う障害が発生。この障害は8月29日に発生した障害とほぼ同一の原因によるもので、システムに脆弱な部分が存在しているにも関わらず、テストを十分に行なうことのないまま新商品を追加したことに起因していたという。
金融庁では、楽天証券が報告内容に反して、システム障害の再発防止策を適切に実行していなかったと判断し、業務改善命令を出した。改善命令の具体的な内容は、1)システムの現状を十分に確認・検討し、新たなシステム障害を防止するために必要な措置を講じること、2)システムの安定稼動を早急に確保するとともに、システム障害時の速やかな復旧、および適切な顧客対応に努めること、3)システム障害による長時間のシステム停止が再発したことにかかわる責任の所在の明確化を図ること――など。
金融庁では、楽天証券が11月26日に予定しているシステム増強に関しても、実施後の状況を11月30日までに書面で報告するよう求めるとともに、上記3点についても、対応状況を12月15日までに書面で報告するよう求めている。
関連情報
■URL
報道資料
http://www.fsa.go.jp/news/newsj/17/syouken/f-20051116-1.html
( 鷹木 創 )
2005/11/17 12:23
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