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マイクロソフト、広告を新たな収益の柱に
次世代サービス戦略セミナーで、バルマーCEOが明言


米Microsoftのスティーブ・バルマーCEO
 来日中の米Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは17日、都内のホテルで開催された広告代理店などを対象にした「マイクロソフト次世代サービス戦略セミナー」に出席。約30分にわたる講演の中で、先頃米国で発表したWindows Live、Office Live、そしてXBOX Liveによる新たなビジネスへの取り組みについて説明した。

 スティーブ・バルマーCEOは、Queenの「We Will Rock You」の曲に合わせて、まるでニューヨークヤンキースの松井秀喜選手か、K-1やハッスルのファイターのように登壇。冒頭で、「MSNは、10年前に日本でサービスを開始した時にはユーザーはゼロだったが、いまでは4,200万のユニークユーザーがいる国内ナンバー2のポータルとなっている」とし、「MSNの成長は、マイクロソフトにとって大変重要なものであり、それを支援していだいた広告主、代理店のみなさんに感謝する」と、MSNのこれまでの日本における成長と、パートナーシップについて礼を述べた。

 また、Microsoftが掲げるデジタルライフスタイル、デジタルワークスタイルの将来について説明し、「私がテレビで、タイガー・ウッズのすばらしいショットを見て、『おい、ビル。いまのウッズのショット見たか!』と叫べば、ビルという相手が、私にとってはビル・ゲイツだということをテレビが認識し、それをビル・ゲイツが見ているテレビにそのまま伝えてくれる。笑い話のように聞こえるかもしれないが、こうしたことが近い将来、起こることになる」など、近未来のデジタルライフスタイルの姿を披露してみせた。


「Microsoftは賭けに出た」

 今回のセミナーのテーマを、「次世代サービス戦略」と題したように、やはり来場者の関心は、Windows Liveなどのネットワークを利用した新サービスへの取り組みだ。

 とくに、バルマーCEOが「Microsoftは賭けに出た」と、この新サービスへの取り組みを表現したのが印象的だった。

 Windows Liveでは、Microsoftの収益モデルは、広告からの収入ということになり、ソフトウェアプロダクトのライセンスなどによって収益を得ていた同社のこれまでのスタイルとは異なる。バルマーCEOの発言からも、Microsoftは広告収入という、新たな収益の柱を持とうという意識が強く感じられた。

 バルマーCEOは、「現在Microsoftの売上高は400億ドルを超えており、そのうち、MSNによる広告売上高は20億円程度。ほとんどがプロダクトのライセンスなどによるものだ。だが、これからは広告収入が大変重要になる。少なくとも、80億ドルから100億ドル程度にまでこのビジネスが広がらないと成功したとはいえないだろう」として、広告による収入が、Windows Liveをはじめとするネットワークサービスの収益源となることを何度も強調してみせた。


講演でバルマーCEOは、広告事業が今後収益の柱の1つとなることを強調


Microsoftは広告ビジネスの世界的リーダーを目指す

 バルマーCEOは、「賭けに出た」という表現を使う一方で、「過去10年にわたって、確証をとってきたビジネスモデルでもある」とも語る。

 「1年前に、アメリカンエキスプレスのマーケテイング担当のトップと会った時に、ユーザーはいまの広告には飽き飽きしているが、これまでにはない広告には期待していると話していた。それには中身を変えるというだけではなく、新たな技術によって実現していくことも必要だ」として、この分野において、マイクロソフトが新たな技術を提供していく可能性があるとも受け取れる発言も聞かれた。


ユーザーが興味の深い、新しい広告体験を提供するという

 最後にバルマーCEOは、「PC、テレビ、ゲームといった機器のほか、これまでに見たことがないようなキオスク端末やモバイル端末を利用して、ビジネスやパーソナル、コンシューマでも、体験することができるサービスとなる。マイクロソフトが持つソフトウェアを、オンラインで提供するとともに、そこで提供されるすべての広告が、おもしろく、楽しく、イノベーションのあるものであってほしい。広告にサプライズは必要ない。利用者が知らないうちにその世界に引き込まれていくようなものを期待したい。マイクロソフトは、広告ビジネスの世界的リーダーになりたいと考えており、その点では、日本のパートナーとも連携していきたい。日本における今後のパートナーシップに期待するともに、みなさん(=広告代理店や広告主)のビシネスをオンラインで支えていきたい。今後の日本における10年を楽しみにしたい」と、日本における新たなビジネスへの期待を語り、講演を締めくくった。

 マスコミ関係者に対しては、開催当日に急遽セミナーの参加案内が配布されるという形だったが、参加したマスコミ関係者の間からは、「広告を巡って、今後はマスコミとマイクロソフトが対立構造になるといったことが明確に打ち出されたセミナーだったともいえる」と、厳しい声も聞かれていた。


関連情報

URL
  Live.com(ベータサービス)
  http://www.live.com/
  Windows Live Ideas
  http://ideas.live.com/
  Windows Liveのニュースリリース(米Microsoft、英文)
  http://www.microsoft.com/presspass/press/2005/nov05/11-01PreviewSoftwareBasedPR.mspx

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( 大河原克行 )
2005/11/18 11:12

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