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日本テレコムが“ユーティリティコンピューティング”事業に参入


「ULTINA On Demand Platform」KeyPlatの概念図

各種リソースを、アプリケーションの使用状況に応じて割り振る(緑、ピンク、オレンジ色に色分けされている部分)
 日本テレコムは2日、サーバーリソースやネットワークリソースを企業のニーズに応じてオンデマンドで提供するサービス「『ULTINA On Demand Platform』KeyPlat」を発表した。すでに3社で事前導入しており、2006年1月中に正式提供を開始する予定だ。

 KeyPlatでは、日本テレコムのデータセンター内に集積したアプリケーションサーバーやデータベースサーバー、ストレージなどのサーバーリソースとともに、同社のブロードバンド回線などもあわせて提供する。基本サービスとして「Oracle Application Server 10g Release2」「Oracle Database 10g Release2」が利用できるほか、Webサーバー、ロードバランサー、ファイアウォール、インターネット回線、運用・サポートが基本サービスに含まれる。

 データセンター内のサーバーはグリッド化されており、KeyPlat上で稼働している各アプリケーションの使用状況に応じてリソースが動的に割り振られる。基本料金によってあらかじめリソース使用量の閾値が設定され、それを超えると動的にリソースが拡張される仕組みだ。リアルタイムにリソース予約も行なえる。

 サーバーリソースをオンデマンドで提供するサービスはハードウェアベンダーなどでも展開しているが、KeyPlatでは「ネットワークリソースも含めて一体化して運用するというキャリアの強み」(日本テレコムインターネット事業部事業部長の安川新一郎氏)があるという。ファイアウォールやロードバランサーなどについても使用状況に応じてリソースを動的に管理する。

 具体的な利用料金は未定だが、「ご利用いただいたリソース分だけ課金する」という。基本サービス部分の基本料金は必要だが、アプリケーションサーバーとデータベースサーバーの利用分については従量制あるいは一定のリソース使用量をパックにした定額制から選択可能、ストレージの利用は従量制とする予定だ。

 日本テレコムでは、ショッピングサイトやキャンペーンサイト、イベントサイトなど、アクセスやトラフィックの多い時期と少ない時期で差が激しいサイトのほか、ASP事業者やベンチャープロジェクトなど、実際の利用規模が予測できないサイトなどでの導入を想定。2006年度中に100社への提供を目指す。「電気料金や水道料金のように、利用したコンピュータリソースに応じたユーティリティ課金により、お客様のコスト削減につながる」(日本テレコム)としている。


日本テレコムインターネット事業部事業部長の安川新一郎氏 「ULTINA」ブランドで予定しているサービスのラインナップ

 なお、今回のサービスに用いている「ULTINA」という名称は、同社が法人向けに提供するICTプラットフォームサービスのために新たに設けたブランド名で、「Ultimate Networking Architecture」からの造語だという。KeyPlatはその第1弾にあたる。今後新しく提供を開始するサービスだけでなく、「Solteria」「Wide-Ether」「ODN-Biz」など従来のサービスもULTINAブランドに移行していく。


日本テレコムの弓削哲也専務執行役CTO。同社の次世代ICTプラットフォーム構想「IRIS」を紹介した IRISは、日本テレコムが1998年12月3日に発表したオールIP化構想「PRISM」を進化させるものとなる

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.japan-telecom.co.jp/release/2005/dec/1202/index.html
  関連記事:日本テレコム、2000年を目処にIPベースの次世代通信網開発
  http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/981203/prism.htm

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「ユーティリティコンピューティングを目指す」~孫正義ソフトバンク社長(2004/02/19)


( 永沢 茂 )
2005/12/02 21:36

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