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IM機能を大幅に向上させた「Windows Live Messenger」のベータテスト開始


　MSN Messengerの後継バージョンとなる次期インスタントメッセンジャー（IM）「Windows Live Messenger」のベータテストが開始されたことが明らかになった。Windows Live Messenger公式ブログで開発者が明らかにした。現在、米国だけでなく日本や英国、フランス、ドイツなどを含む計12カ国で、招待された一部のユーザーにのみベータ版が提供され、テストされているという。

　これに伴い、Windows Live Messengerの新機能の一部が明らかになった。特に興味をひくのはIMの基本機能を大幅に強化していることだ。


● IMとメールの概念を合体、オフラインの相手にもメッセージ送信可能

　まず、Windows Live Messengerではコンタクトリストの役割を拡張しようとしており、IMの連絡先だけでなくメールの連絡先もコンタクトリストに登録できるようになった。つまり、Windows Live Messengerのコンタクトリストが基本的なアドレス帳になる可能性を秘めていることになる。それに伴い、これまで300人しか登録できなかったコンタクトリストが600人まで登録できるようになった。さらに連絡先を容易に発見できるようにするため、「ワードホイール」という入力フォームを用意。文字を入力すると、合致する候補がインクリメンタルに表示され、選択できるようになった。

　Windows Live MessengerはIMの新しい使い方も提案している。例えば、相手がオフラインであってもIMが送信できる。この場合、相手はオンラインになった時点ですぐにIMを受け取れる。開発者はこの機能がIMとメールの概念を合体させたものと考えているようだ。これとは逆に、オンラインステータスをオフラインにしておいたままでコンタクトリストの相手にIMを送れるようになった。これはほとんどの人に自分はオフラインであると見せかけておきたいが、1人か2人にだけIMを送りたいというニーズに応えたものだ。さらにIMの交換の際にメッセージにタイムスタンプが付くようになったため、仕事などの場合に重宝しそうだ。


● 共有フォルダ機能によってコンタクト相手とファイルを同期

　もう1つの大きな機能は、Windows Live Messengerに共有フォルダが設けられたことだ。共有フォルダはコンタクト相手ごとに1つ設けられる。共有フォルダにファイルを入れておくと、次にオンラインなったときに自動的に相手の共有フォルダとの間で同期がとられる。共有されるファイルは暗号化して送信され、安全上の理由から実行可能ファイルやバッチファイル、スクリプトなどのファイル共有は現時点で許可されていない。ファイル容量に制限は設けられていないため、巨大なファイルも回線が許す限り共有できる。ファイルが更新された場合にも変更点のみが同期される。巨大なファイルの1カ所に文字の入力間違いなどの修正を施した場合にも、ファイル全体を送信し直すような事態は発生しないという。

　さらに米大手通信会社のMCIとMicrosoftの提携により、Windows Live Messengerを使ってPCから一般電話に通話できるようになった。現在、米国内でのみベータテストが行なわれており、今後は英国やフランス、ドイツなどでもベータテストが予定されている。

　このようにWindows Live Messengerの第1次ベータテストでは、多くの新機能が装備されたことが明らかになったが、公式ブログではこれがほんの始まりであり、さらに多くの機能を予定していると説明している。最初のベータテストを招待制にしたことについては、本当のテストをしてくれる実際のユーザーを必要としていること、サーバーにかかる負荷を処理するためには徐々に処理できる能力を上げていく必要があることなどの理由を挙げ、ユーザーに理解を求めている。

関連情報

■URL
　 Windows Live Messenger公式ブログ（英文）
　 http://spaces.msn.com/members/MessengerSays/
　 Windows Live Messenger BETAの概要
　 http://ideas.live.com/programpage.aspx?versionId=0eccd94b-eb48-497c-8e60-c6313f7ebb73
　 MCIとの提携に関するニュースリリース（英文）
　 http://www.microsoft.com/presspass/press/2005/dec05/12-12MCIPCToPhonePR.mspx

■関連記事
・ 米Microsoft、初の“Web 2.0的”戦略サービス「Windows Live」を発表（2005/11/02）


（ 青木大我 taiga@scientist.com ）
2005/12/14 14:22

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