米McAfeeのセキュリティ研究機関AVERTは22日、2006年のセキュリティ脅威の予測を発表した。モバイル機器を狙った攻撃のほか、フィッシング詐欺と個人情報詐取の増加が見込まれるという。
AVERTでは、スマートフォンの接続増加に伴い、世界的なモバイル攻撃が大幅に増えると予想。モバイル攻撃による被害は、現在のPCに向けた攻撃の被害よりも広範囲に及ぶ可能性が高いと懸念する。
その理由としては、スマートフォンの台数の多さと、セキュリティソフトで保護されているスマートフォンが少ないことを挙げる。数種類のOSを狙ったモバイルウイルスは、最大2億台のスマートフォンに同時感染する可能性もあるという。消費者のモバイルウイルスへの認識が極めて低いことから、AVERTではモバイルセキュリティソフトがインストールされる可能性はPCと比べて少ないと見ている。
フィッシング詐欺に関しては、スパイウェアやパスワードを詐取するプログラムが使用されることにより、これまで以上に攻撃の対象が絞られると予想。ブラウザの脆弱性やコンピュータセキュリティ教育の不足などの問題が、フィッシング被害の増加を助長すると懸念している。AVERTでは、トロイの木馬に感染したコンピュータをフィッシングサイトに改竄した後、他のコンピュータにスパムメールを送信して感染サイトにアクセスさせるという「分散型フィッシング」が増えると見ている。
さらに、2006年にはパスワードを盗むサイトが増えるとしている。偽のサインインページを表示してユーザーのIDとパスワードを詐取する攻撃や、eBayなどの人気の高いオンラインサービスを狙った攻撃の増加が懸念されるという。
このほか、ハリケーン「カトリーナ」などの災害発生後に被害者への寄付を募ると見せかけるフィッシング詐欺など、人々の善意につけ込んだ攻撃も増えると予想する。一方で、ISPに対する攻撃は減少するほか、金融機関を狙った攻撃の数はほぼ変わらないと見ている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.mcafee.com/us/about/press/corporate/2005/20051219_190756.htm
( 増田 覚 )
2005/12/22 12:47
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