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ヤフオクの海賊版出品、警察庁との「情報共有スキーム」活用により初摘発


 兵庫県警は11日、Yahoo!オークションを悪用して「Windows XP Professional」の海賊版などを販売していた神戸市の男性(37歳)を、著作権法違反の疑いで逮捕した。コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は、今回の逮捕が警察庁と権利者団体およびインターネットオークション事業者の3者が共同で構築した「情報共有スキーム」を活用した初めての摘発であると発表した。

 情報共有スキームは、インターネットオークションを利用した悪質な著作権法違反の出品に対して情報を共有し、その情報を元に都道府県警が捜査を行なう枠組み。警察庁の有識者会議である「情報セキュリティ会議」の提言を受け、ACCSとインターネットオークション事業者3社(ヤフー、楽天、ディー・エヌ・エー)および警察庁の生活安全局情報技術犯罪対策課が運用を開始した。

 今回の摘発は、Yahoo!オークションにおいて複数のIDを用いてPC用ソフトの海賊版を出品していた事案について、情報共有スキームに基づき情報の分析を行なった結果、同一人物による海賊版の大量販売であることが判明。被疑者の主な活動拠点が兵庫県であることから、警察庁から兵庫県警に連絡し、被疑者が摘発された。

 警察の調べによると、男性は2005年8月から12月までの間に3,174件の海賊版を発送。男性の銀行口座には判明しているだけで2004年2月下旬頃からこれまでに全国の約4,000人から合計約600万円の海賊版の代金と思われる振込があった。男性は13個のIDを利用して大量の出品を続けており、出品にあたっては「個人情報の漏洩への危惧に対し、取引完了時点で『完全削除』なるソフトを使い、すべて削除している」と記載するなどして、安全な取引であることを強調していたという。

 ACCSでは、これまでもインターネットオークション事業者と個別に連携して著作権侵害品の出品停止措置などを講じてきたが、「情報共有スキーム」により捜査機関との連携が加わったことで、取り締まりをより効果的に行なうことが可能となったとしている。


関連情報

URL
  ACCS
  http://www2.accsjp.or.jp/


( 三柳英樹 )
2006/01/11 19:09

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