AFP通信社、MOVIDA ENTERTAINMENT、クリエイティヴ・リンクの3社は、AFPが配信するニュース記事を掲載するユーザー参加型コミュニティサイト「AFP BB News」と、掲載記事を引用可能なブログサービス「Actiblog」のベータ版サービスを2月3日より開始する。ユーザー登録を行なえば、誰でも無料で利用できる。
● 1日約2,000枚の写真記事をブログに引用できるニュースコミュニティ
|
AFP BB Newsトップページ
|
|
Actiblogで作成されたブログ
|
AFP BB Newsは、AFPの2,200名のジャーナリストが世界165カ国の支局で取材した時事ニュースを写真や動画付きの記事を提供していくコミュニティサイト。掲載写真数は1日約2,000枚に及ぶといい、記事に関しても24時間体制で日本語に翻訳された上で、順次掲載される。配信記事には、AFPと提携する時事通信社からの国内ニュースや、Getty Images社の北米スポーツおよびエンターテインメントニュース、パリモードTVのファッション動画ニュースも含まれている。
サイトトップページ上には、主要ニュース、新着フォト、アクセストップと3ジャンルに分けた上位100位までの記事写真が掲載され、写真をクリックすることで各記事の詳細ページへと移動する。詳細ページ上には記事に対するコメントが可能な掲示板機能を用意するほか、全画面表示や記事のクリッピング機能、Actiblogへの引用ボタンも備える。加えて、設定したジャンルの記事を表示するマイページ機能や記事のワード検索機能、ランキング表示ページなども用意する。
Actiblogは、AFP BB Newsに掲載された記事を写真または動画付きで正規に引用が可能なブログサービス。AFP BB Newsの記事詳細ページに用意された引用ボタンをクリックすると、Actiblogの記事投稿画面に遷移して、それぞれの記事に対して自分の意見や考えを書き添えた記事を投稿できる。また、トラックバックなどもサポートするため、3社では、ニュースを中心としたユーザー間の意見や知識を交換していくコミュニティが形成可能になると考えている。
また、Actiblogにはベータサービス開始時点で50名前後のオフィシャルブロガーが、ニュース記事を引用した執筆活動を行なっていく。現在活動しているオフィシャルブロガーは各分野に精通した人物となるが、今後は一般ユーザーを含めてオフィシャルブロガーの増員を進めていくという。
どちらのサービスも、2005年12月にYahoo! BB会員に限定して実験サービスを開始していいたもの。2月3日に開始されるベータ版サービス以降は、対象ユーザーを限定することなく、ユーザー登録を行なえば誰でも無料で利用できる。なお、今後も順次コミュニティ機能を拡充させる予定だとしている。
|
|
|
各記事の詳細ページ。クリッピングした記事は右下に一覧表示される
|
掲載写真の全画面表示も可能
|
特集記事ではスライドショー形式で写真を表示することも
|
|
|
|
マイページでは任意のジャンルを指定表示できる
|
クリッピング記事一覧。同画面に限らず、閲覧した記事写真右下には折り目がつく
|
ランキングはアクセス数やコメント数などで分類
|
● 今後はActiblog以外にも記事引用可能なブログサービスの拡大も検討
|
MOVIDA ENTERTAINMENTの孫取締役。AFP BB Newsのエグゼクティブプロデューサーにも就任している
|
AFP通信社、MOVIDA ENTERTAINMENT、クリエイティヴ・リンクに時事通信社を加えた4社は同日、ベータ版サービス開始にあたって東京・港区にあるフランス大使館公邸で記者発表会を開催した。
MOVIDA ENTERTAINMENTの孫泰蔵取締役は、「AFP通信社さんはこれまで、新聞やラジオ、テレビ、ナローバンドといったメディアにニュースソースを提供していた」とコメント。「今回のAFP BB Newsではブロードバンド回線を通じてユーザーに対して、ダイレクトにニュースを配信していくものだ」と語った。
さらに孫取締役は「AFP BB Newsは一方的にニュースを伝えていくのではない」と説明する。「AFP BB Newsでは、ニュースを受け取ったユーザー同士がActiblogや掲示板機能などを通じて意見を交換することが可能であり、世界で起きているさまざまな出来事に対して情報交換を行なっていくことで、新しい世論を作っていくことも可能になるのではないか」と本サービスの意図を語った。
オフィシャルブロガー制度に関しては、「従来の言い方で言えば、論説委員のような立場で関心のあるニュースの解説などを行なっていただく」という。「もちろん、一般ユーザーもニュースに対する解説が可能であり、そうした活動を通じて新しいニュースに対する見識を広めることができると考えている」と述べた。
今後の展開としては、Yahoo! JAPANのYahoo!ニュース上にAFP BB Newsで配信した記事の一部や縮小画像を掲載して、AFP BB Newsへの誘導を図っていくという。開始時期としてはトリノオリンピックが開幕後の2月13日頃を予定している。
Actiblog以外でのAFP BB News掲載記事の引用に関しては、「まだまだ交渉中だが、各社ポータルサイトなどとアライアンスが結べるようであれば、他のブログサービス向けの引用機能を設けたい」という考えを示し、ソフトバンクグループ内でサービスを限定するような考えを持っていない点を強調していた。
|
|
AFP BB Newsの特徴
|
ニュースを通じたコミュニティの情報交換によって、新しい世論形成のあり方を模索する
|
● 孫取締役「Web 2.0も取り込み、21世紀の新しい報道のあり方を模索したい」
|
AFP BB Newsの松岡編集長
|
サービス概要に関して説明を行なったAFP BB News編集部の松岡保昌編集長は、AFP BB News内のコメントやActiblogの投稿記事の内容について、「表現の自由の範囲内であれば特に制限することはない」とコメント。ただし、「風説の流布や社会規範上問題があるものについては、対応を考えいてきたい」と述べた。
また、ビジネスモデルとしては、トップページの写真の中に広告を挿入したり、ブログ上にバナー広告を掲載して収益を上げていく考え。松岡編集長は「我々の世界観に共鳴していただける企業と協力して新しい広告を作っていきたい」と語り、「アンケート機能などにより、マーケティングとしても利用が可能だ」とした。
有料サービスの可能性に関して孫取締役は、「まずは多くのユーザーの方に見ていただいて、サービスを理解していただく必要がある」とコメント。その上で、「課金を行なって価値のあるサービスが提供できるようであれば、追加的に付加していく場合もあるかもしれない」とした。
最後に設けられた質疑応答の席で孫取締役は、AFP BB NewsおよびActiblogについて「世界にも類を見ない先進的なニュースサービスであると認識している」と強調。「最近言われているWeb 2.0と呼ばれる要素も取り込みながら、まったく新しい形の21世紀の報道のあり方を模索していきたい」と抱負を語った。なお、「特集の組み方などチャレンジングなことは全部やっていきたい」と考えているほか、「海外でも同様のサービスを提供していければ」と述べた。
このほか発表会では、AFP通信社、クリエイティヴ・リンク、時事通信社の各社代表はサービスに対する意気込みを語るとともに、ジルダ・ル・リデック駐日フランス大使から祝辞が述べられた。
|
|
各詳細ページ下記には掲示板機能も用意。現段階では特に書き込み前のチェックは行なっていないという
|
トップページ写真の間には広告への誘導画像が挿入されている(この場合ではメルセデスベンツの画像)
|
|
|
ジルダ・ル・リデック駐日フランス大使。「ソフトバンクグループとの提携でAFPは新しいプロダクトを提供できる」とコメント
|
AFP通信社のピエール・ルエットCEO。「ユーザーがどのような反応をしてくれるかが楽しみ」と語った
|
関連情報
■URL
AFP BB News
http://www.afpbb.com/
Actiblog
http://www.actiblog.com/
■関連記事
・ BBサーブが事業分社化、「MOVIDA」グループを形成し持ち株会社に移行(2005/11/02)
( 村松健至 )
2006/02/03 19:53
- ページの先頭へ-
|