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「PCのセキュリティ対策の重要性を啓蒙する意味では、『Windows OneCare Live』によるMicrosoftのセキュリティ業界参入は大きい」同社アジアパシフィック&ジャパンのシニアディレクターを務めるデイビッド・フリーア氏
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シマンテックは14日、2006年秋以降のサービス開始を予定している個人向けセキュリティサービスに関する説明会を開催した。開発コードネームは「Genesis」と名付けられており、次世代クライアントOSのWindows VistaとWindows XPに対応する。料金体系はサブスクリプション制となる予定だが、価格は未定だ。
シマンテックの推定では、インターネットに接続した個人ユーザーの30~40%がウイルス定義ファイルを更新していないなど、適切なセキュリティ対策を行なっていないという。こうしたことから同社では、ソフトウェアの設定やアップデート自動で行なわれるGenesisを開発。Genesisではすべてのサービスがプリセットされているため、利用時に複雑な設定が不要で、ユーザーの手間を軽減できるのが特徴だ。チャットやメール、電話による無償サポートも用意する。
Genesisは、セキュリティ対策ソフト「ノートン・インターネットセキュリティ」やPCメンテナンスソフト「ノートン・システムワークス」、データ保護・リカバリソフト「ノートン・ゴーバック」など既存製品の機能を統合した個人向け総合セキュリティサービス。また、トランザクション(オンライン取引)セキュリティやオンラインバックアップなど、既存製品に備わっていないサービスもあわせて提供する。
サービス内容としては、ウイルス対策やスパイウェア対策などの「システムセキュリティ」、PCのリカバリや最適化などの「PCメンテナンス&サポート」、デジタルコンテンツを保護する「デジタルコンテンツのセキュリティ」、安全なオンライン取引を行なうための「トランザクション(オンライン取引)セキュリティ」の4分野をサポート。Genesis購入後に新機能が追加された場合でも、アップグレードの一環として別途費用を支払わず利用することが可能だ。
既存製品にはないオンライン取引向けのセキュリティでは、WebページのURLやコンテンツ、レイアウトなどを分析することでフィッシング詐欺サイトを検出。トロイの木馬やキーロガーなどの犯罪性の高いプログラムについては、パッチやシグニチャを使わずに攻撃の振る舞いを判断することで脅威を未然に防ぐという。またオンラインバックアップ機能では、シマンテックが1GBのストレージを用意。別途料金を支払えばストレージの容量を拡大できる。
サブスクリプション制で提供する個人向けセキュリティサービスとしては、米Microsoftが2006年6月に「Windows OneCare Live」を開始することを発表している。これについて同社アジアパシフィック&ジャパンのシニアディレクターを務めるデイビッド・フリーア氏は「Windows OneCare Liveは、我々が発売してきたパッケージ製品の機能を提供するもの。一方Genesisでは、オンライン取引向けのセキュリティサービスなど独自のサービスを用意する。またGenesisは日本でも提供されるが、Windows OneCare Liveは当初米国のみの展開だ。ただし、PCのセキュリティ対策の重要性を啓蒙する意味では、Microsoftのセキュリティ業界参入は大きい」とコメントした。
さらに将来的には、信頼できるオンライン取引環境を確保するために、シマンテックが提供するツールバーをブラウザにプラグインすることで、検索結果画面にシマンテックによる信頼度の格付けを表示するサービスなども視野に入れているという。
関連情報
■URL
シマンテック
http://www.symantec.com/region/jp/
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( 増田 覚 )
2006/02/14 19:24
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