警察庁が23日にまとめたサイバー犯罪の検挙状況によると、2005年におけるサイバー犯罪の検挙数は、前年比51.9%増となる3,161件に達したことがわかった。このうちネットワークを利用した犯罪では、詐欺が前年比の約2.6倍となる1,408件に上った。
サイバー犯罪(情報技術を利用する犯罪)の罪名別割合は、詐欺が44.8%で最も多く、以下は児童買春法違反(10.2%)、不正アクセス禁止法違反(8.8%)、青少年保護育成条例違反(5.5%)、児童ポルノ法違反(4.3%)、著作権法違反(4.1%)と続いた。不正アクセス禁止法違反は277件で、前年の約2倍に増えている。
また、都道府県警察のサイバー相談窓口などが受理した相談件数は84,173件で、前年の70,614件から19.2%増加した。内容としては、詐欺・悪質商法に関する相談が41,480件(全体の49%)で最も多く、インターネットオークションに関する相談が前年比約1.3倍の17,451件(同21%)で続いた。そのほか、不正アクセスやウイルスに関する相談は3,965件(同5%)で、前年から約1.8倍増加した。
主な検挙事例としては、インターネットバンキングを利用している法人に対して、取引上の苦情を装ったメールにスパイウェアを添付して送りつけ、インターネットバンキング利用にかかわるパスワードなどを不正に取得し、法人の口座に不正アクセスした無職男性(34歳)ほか1名を不正アクセス禁止法違反で検挙(11月・警視庁)したケースを紹介。この被疑者らは、自ら管理する他人名義の口座に被害を受けた法人の口座から約21万円を送金していた。
ネットワーク利用犯罪については、被害者の携帯電話あてに、利用したことのない有料サイトの料金を請求するメールを送信し、約218万円をだまし取った無職男性(25歳)ほか3名を詐欺の容疑で検挙(1月・千葉)した例、音楽会社社長と社員に危害を加える旨をインターネットの掲示板に書き込んだ専門学校生男性(23歳)を脅迫・強要未遂で検挙(11月・警視庁)した例などを挙げている。
インターネットオークションに関する相談では、オークションで代金を振り込んだが商品が送られてこないという内容や、自分のオークションIDが他人に不正利用され、商品を架空出品されたという詐欺被害に関する相談が寄せられている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(PDF)
http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h17/image/pdf28.pdf
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( 増田 覚 )
2006/02/27 13:30
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