マカフィーは9日、ファイル共有ソフト「Winny」による情報流出事故の多発を受け、Winnyを介して感染を広げるウイルス「Antinny」の危険性を改めて警告した。ウイルス対策ソフトの導入や最新ウイルス定義ファイルの利用、Winny実行マシンへ個人情報を保存しないことを呼びかけている。
Antinnyは、2003年8月ごろに発生が確認されたウイルス。Winny上で共有されたファイルを媒介にして感染を広げ、いったん感染してしまうと、ユーザーが把握していないファイルをもWinnyで共有してしまう。最近になって多発している官公庁・一般企業のWinnyによる情報流出事故もAntinnyあるいはその亜種が関与しているとみられる。
ただしウイルス対策ソフトを導入していても安心はできない。マカフィーによれば共有ファイルを利用するウイルスという性質上、ゆっくりと感染を広げるため、セキュリティベンダー側での発見・対処が遅くなり、最新のウイルス定義ファイルを導入していても感染する可能性があるという。仮にWinnyを利用する場合は、ダウンロードしたファイルの拡張子を必ず確認することや、Winny実行マシンには個人情報を保存しないよう注意している。
マカフィーでは企業向けASP型ウイルス対策製品「McAfee Managed VirusScan」で集めた統計情報の中から、Antinnyを検知したファイル数を公開した。それによれば3月2日には188件、3日には190件、4日には125件、5日に186件を検知。また6日には237件、7日には307件、8日には161件を記録したという。しかしこの数値はWinny利用者の使用頻度による変動範囲内とみられ、直近では大きな動きはないだろうとマカフィーは分析している。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.mcafee.com/japan/about/prelease/pr_06a.asp?pr=06/03/09-1
関連記事:Winnyを経由して感染するウイルス「Antinny」特集
http://internet.watch.impress.co.jp/static/index/2004/04/09/antinny.htm
( 森田秀一 )
2006/03/10 14:20
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