|
3月29日発売のインターネットマガジン2006年5月号。「プロバイダー接続マップ」が折込付録として付く。定価1,050円
|
インプレスが発行する月刊誌「インターネットマガジン」が、3月29日発売の2006年5月号(通巻136号)をもって休刊する。
インターネットマガジンは1994年9月に創刊した、日本で最初のインターネット総合雑誌。最終号では休刊の理由について、社会全体に大きく影響を与えるまでに進化したインターネットを1つの月刊誌でカバーするのは難しくなり、総合月刊誌としてのインターネットマガジンの役割は終了したと判断したと説明。今後は、Web 2.0的なビジネスモデルやワイヤレスネットワーク技術などの専門分野に特化したメディアに分割して展開していくとしている。
今後の予定としては、Web 2.0時代のWebビジネス実務者向け「Web Professional Network」(仮称、6月より発行予定)と、ブロードバンドネットワーク技術者向け「ワイアレスブロードバンド技術フォーラム」(仮称、7月より発行予定)の2つのメディアを発行。両メディアともWeb、出版物、イベントなどを組み合わせたクロスメディアとして展開する。
インターネットマガジンについてはプロフェッショナル向けのニュースレター「INTERNETmagazine Innovation」(仮称、5月より発行予定)として継承する。また、会員登録によりインターネットマガジンのバックナンバーがPDFで閲覧できるサービスについても継続していく予定。
インプレスでインターネットマガジンや「インターネット白書」などの出版物を担当していた部門は、同社の会社分割により4月3日から新会社「インプレスR&D」として活動を開始。インプレスR&Dでは、Web、出版物、調査レポート、セミナー・イベントなどを連動させたクロスメディア事業を展開していく。
● インターネット時代のメディアのあり方を追求していきたい
インターネットマガジンの井芹昌信編集長は、「インターネットマガジンは月刊誌の名前でもあったが、社会に対する1つのメッセージでもあった」と語る。「月刊誌だけでなく、例えば『インターネット白書』を作ったのも、政府や行政がインターネットというものを捉えきれていないと感じたことが出発点にある」という。
一方で、インターネットにより情報が容易に入手できるようになった結果、雑誌という媒体が持つ流通の限界も明確になってきたとして、読者の視点から媒体のあり方を再デザインすることにした。
インプレスR&Dで展開する「クロスメディア事業」では、活動の主体はWebとなり、それをベースに出版物やイベント・セミナーなどを展開していく。雑誌や単行本の発行が主体で、Webはそれに付随するものとなっていた従来の主従関係を逆転させる。
この狙いについては、「Webには即時性があり、ブログやSNSなどでコミュニティを形成できるメリットもある。恒常的な活動としては、収集した情報をWebやPodcastingなどネットワーク上の媒体で更新していく形となる」と説明する。一方で、「出版物は信頼性や読みやすさといった点でWebより優れており、情報をまとめて提供するのに適している」として、Webでの活動を雑誌や単行本などの出版物として発行していく。
井芹編集長は「現状のメディアは『雑誌』『新聞』『Web』といった媒体によって規定されているが、これはあくまでも流通の都合。そうではなく読者の視点から、あるテーマに沿った情報を提供するのに適切な媒体は何かということを考えて展開していきたい」と説明する。つまり、「Web」「雑誌」という媒体が先にあるのではなく、「Web 2.0」や「ワイヤレスブロードバンド」といったテーマを切り口にしてWebや出版物を連動させていくという考えだ。
2006年度にはセミナーも40回程度開催する予定で、セミナーに参加できなかった人にもセミナーの動画や配布資料などをオンデマンドで配信するサービスを提供する予定だという。また、こうしたセミナーやイベントの成果や各種調査レポートなども、出版物として展開していく。
井芹編集長はこうした事業展開について「国内・海外を含めてほとんど例がないもので、うまくいくかどうかは未知数」としながらも、「インターネットが存在する時代の雑誌のあり方、メディアのあり方を追求していきたい」と今後の抱負を語った。
関連情報
■URL
インターネットマガジン
http://internet.impress.co.jp/rim/
インプレスR&D
http://www.impressrd.jp/
■関連記事
・ 「INTERNET magazine」のバックナンバーをPDFで無料公開、創刊号から85冊(2005/01/28)
( 三柳英樹 )
2006/03/29 17:37
- ページの先頭へ-
|