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無線LAN経由でコンテンツをダウンロードできる人型ロボット「ITR」


ITR(Internet Renaissance:インターネット・ルネッサンス)

ITRとスピーシーズ代表取締役社長の春日知昭氏
 スピーシーズは、無線LAN経由でインターネット上のコンテンツをダウンロードできる人型ロボット「ITR(Internet Renaissance:インターネット・ルネッサンス)」の開発評価キットを5月下旬に、コンシューマ向け製品を9月上旬に発売する。標準価格は開発評価キットが500,000円、コンシューマ向け製品が190,000円。

 ITRは、専用サーバーからインターネット経由でロボット用のコンテンツをダウンロードし、ロボットの動きや音声でコンテンツを利用できる「世界初、わが家に棲みつく人型ロボット」をテーマとした人型ロボット。接続プロトコルには、スピーシーズが独自に開発した「RTML(Robot Transaction Markup Language)」を採用。スピーシーズでは、RTMLをロボット専用プロトコルとして標準化させる意向を示している。また、USB接続型の無線LANアダプタを別途用意すれば、IEEE 802.11gによる無線LAN接続ができるほか、携帯電話のWebブラウザ上からロボット用コンテンツのダウンロードも可能だ。

 コンテンツは、ニュースや天気予報といった総合情報をはじめ、児童番組、バラエティ、音楽番組など12種類のチャネルを用意。また、ロボットによるCM配信や、CMがない有料コンテンツの配信も行なう予定だ。ダウンロードしたコンテンツは、情報をロボットの動きや音声などで表現する「モーションブラウザ」や、感情表現用のモーションデータをライブラリ化した「SYGSAライブラリ」といった機能を利用して、ロボットの動きや音声でユーザーはコンテンツを利用できる。

 ハードウェア面では、CPUに双葉電子工業製の「RPU-50」を、OSにはNetBSDをベースとした独自のOS「SpeecysOS Rev.2.0」を、サーボモーターには双葉電子工業製の「RS301CR」を採用。スピーカーを2基搭載するほか、本体の胸部と両手部には合計168個のLEDを装備する。電源は内蔵のリチウムポリマ電池を使用し、ACアダプタの接続で充電が可能だ。インターフェイスはUSB、miniSDスロット、シリアル、オーディオを装備する。ITRの全高は約30cmで、重量は約1.5kg。

 販売は、コンテンツ開発事業社向けの開発評価キットを4月3日より先行して受注を受け付け、5月下旬より300セット限定で販売を開始する。開発評価キットにはITR本体のほか、モーションエディタ、期間限定のサーバー使用権などが付属する。また、コンシューマ向け製品は9月上旬に発売する予定で、5本の有料コンテンツを付属させる予定だという。

 スピーシーズの代表取締役社長である春日知昭氏は、ITRについて「家庭におけるラジオ、テレビ、PC、携帯電話に次ぐ“第5のメディア”として、一般家庭への普及を目指す」と展望を示した。今後は、ITRをプラットフォームを通じた他企業との連携、コンテンツやロボット技術の企画・開発、ロボットのデザインやモーションに関するスクーリングの実施などを目指しているという。


ITRの全身 ITRの上半身、LEDのほかコンテンツで利用するスイッチを3個装備する

ITRの腕部、LEDと腕の先にスイッチを装備 背面には、バッファローの無線LANアダプタを装着

携帯電話のWebブラウザ向け操作画面 ITRに内蔵されている機器

音声とモーションで○×クイズを出題するITR クイズの解答が不正解で落ち込むITR

踊るITR

ITRの仕様 ITRのビジネス相関図 ロボット向けコンテンツビジネス概要

関連情報

URL
  ITR
  http://www.speecys.com/itr/
  スピーシーズ
  http://www.speecys.com/

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( 大久保有規彦 )
2006/04/03 18:12

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