マイクロソフトは17日、4月の月例セキュリティ修正プログラム(パッチ)として公開した「MS06-015」を適用すると、特定の条件下で問題が発生することを公表した。
MS06-015は、Windowsエクスプローラに存在する脆弱性を修正するセキュリティパッチ。マイクロソフトによると、ヒューレット・パッカード(HP)の「Share-to-Webソフトウェア」などのソフトウェアがインストールされているPCに、このMS06-15を適用すると、マイドキュメントなど特定のフォルダにアクセスできなくなったり、Officeなどのアプリケーションが反応を止めてしまうことなどが発生するという。
これは、MS06-015に含まれている新しいバイナリである「VERCLSID.EXE」が、HPのShare-to-Webソフトウェアなどがインストールされていると、応答不能になることが原因。Share-to-Webソフトウェアは、HPのスキャナやカメラ、書き込み可能なCDドライブやDVDドライブの一部製品のほか、「HP PhotoSmartソフトウェア」、カードリーダー機能を搭載するすべてのHP DeskJetプリンタに含まれている。
解決策は、関連するレジストリキーを修正すること。また、タスクマネージャーから起動しているShare-to-Webソフトウェアを停止することでも回避できるようだ。なお、Share-to-Webソフトウェア以外のサードパーティー製ソフトウェアで同様の問題が発生した場合も、レジストリキーの修正などで対応できる。
このほか、米Sunbelt Softwareの「Kerio Personal Firewall」をインストールしていると、MS06-015のVERCLSID.EXEに警告が表示されるという。これはKerio Personal Firewallでは、ほかのアプリケーションを起動させるアプリケーションに対してユーザーの許可を求めるために警告を発する仕組みがあり、EXPLORER.EXEがVERCLSID.EXEを起動させようとすることに反応するためだ。この警告が発せられた場合は、Kerio Personal Firewallの設定を変更することで回避できるという。
【追記 19:05】
なお、マイクロソフトによれば、この不具合を修正したMS06-015のパッチを再配布するかどうかなど、対応方法は現時点で未定だという。また、MS06-015については、Windows Me/98用にもパッチを配布することがアナウンスされていたが、現在準備中であり、まだ提供されていない。Windows Me/98用のパッチを公開する段階で、今回の不具合が修正されるかどうかについても決まっていない。
関連情報
■URL
MS06-015
http://www.microsoft.com/japan/technet/security/bulletin/ms06-015.mspx
技術情報(英文)
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;en;918165
■関連記事
・ マイクロソフトの月例パッチ、複数あったIEの深刻な脆弱性に対応(2006/04/12)
・ 4月のマイクロソフトセキュリティ更新を確認する(2006/04/13)
( 鷹木 創 )
2006/04/17 16:22
- ページの先頭へ-
|