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文化放送とドワンゴ、アニメやゲーム関連コンテンツを配信する新会社


AG ONEの事業イメージ図
 文化放送とドワンゴは18日、アニメーションおよびゲームに関する音声・映像コンテンツをパソコンと携帯電話向けに配信する新会社「株式会社AG ONE(エイジーワン)」を7月1日に設立すると発表した。資本金は6,000万円で、サービス開始は10月1日を予定する。

 文化放送とドワンゴでは、携帯電話向けコンテンツサイトとラジオ番組との連動、アニメソングアーティストによるライブイベント「Animelo Summer Live」を共催するなど約4年間に渡るコンテンツ開発などを通じて信頼関係を構築。今回、両社が中心となって設立するAG ONEでは、こうした信頼関係にもとづいて、コンテンツ獲得競争が激化するアニメーションおよびゲーム市場に対して、両社の強みを活かした付加価値の高いコンテンツ提供を目指す。

 AG ONEの資本金は6,000万円で、出資比率は文化放送が30%、同社グループで楽曲管理やラジオ番組制作を行なうセントラルミュージック(JCN)が10%、ドワンゴが40%、アニメーション制作のピクチャーマジックが20%。代表取締役社長には、現在JCNに在籍する大口豊氏が就任する。当初の従業員数は10名程度。


アニソンなど5,000曲をダウンロード配信。Webラジオや声優ノベルも展開

AG ONE社長に就任するJCNの大口氏
 同日に開催された発表会では各社の代表者が参加し、AG ONEの事業内容などを中心に説明が行なわれた。

 AG ONEでは、パソコンおよび携帯電話向けのコンテンツ配信事業、代理店および番組・制作イベント事業、アニメーション制作事業の3事業を柱に活動を行なっていく。また、設立にあたっては、エイベックス ネットワーク、エボリューション、キングレコード(スターチャイルドレコード)、ジェネオン エンタテインメント、マーベラスエンターテイメント、ランティス、リアライズレコードの7社などが賛同企業として名を連ねている。

 コンテンツ配信事業では、いわゆるアニソン楽曲の有料ダウンロード配信や番組のストリーミング配信、コミックや声優が朗読するショートノベル、eコマース事業を手がける。このうち、楽曲配信では賛同企業の協力のもと、10月1日のサービス開始時にアニソンを中心に約5,000曲を提供したい考え。ファイル形式は現時点でWMAを予定する。

 番組配信に関してはAG ONE向けに制作されたオリジナルWebラジオ番組が中心で、Podcasting配信も検討するという。このほか、文化放送のアニメーションおよびゲーム(A&G)ポータル「超!A&G」、ドワンゴの携帯電話向けストリーミング放送「パケラジ」とも連携。さらに海外におけるA&G需要を見据え、外国語放送も行なう。サービス開始当初は英語の1言語となるが、AG ONEではフランスやドイツなど欧州言語を早期に追加していく考えだ。


音声コンテンツ以外のアニメ・ゲーム関連コンテンツも順次提供

(左から)文化放送の佐藤社長とドワンゴの小林社長

ピクチャーマジックの中西社長
 AG ONEの代表取締役社長に就任するJCNの大口豊氏は、「当初は音声が中心となるが、徐々にコンテンツの幅を広げていく」と抱負を語る。大口氏は、文化放送が15年前に開局40周年を迎えるにあたって開始したアニメ番組の企画を提出したJCN社員の1人だ。

 大口氏によれば、代理店および番組・制作イベント事業はJCNの事業を移管して活動を行なっていくといい、「営業と制作が一体となっているのが強みであり、番組をベースにしてアニメ・ゲーム業界との間に信頼関係が構築できた」とした。また、「今後も信頼関係を引き続き深めていきたい」と考えを示した。

 パソコンと携帯電話向けに提供するコンテンツは、基本的には同一。ただし、「ユーザー特性はプラットフォームごとに異なるため、それに合わせたカスタマイズは行なっていく」という。課金体系に関してはプラットフォームごと異なるが、パソコン向けの楽曲配信は従量課金を予定。また、携帯電話でのユーザー獲得目標は初年度で4万人を目指すとしている。

 「当初は週1回30分のアニメ番組1本でスタートしたが、現在では30分換算で1週あたり33番組の放送を行なっている」と文化放送の佐藤重喜代表取締役社長は述べる。「当時、アニメといえば活字と映像で企画されたものが多かったが、音声分野で参入することはアニメ業界の活性化に一役買えるのではないかと考えていた」と当時を振り返った上で、「緊密な関係をもって新しい事業を成功に結びつけたい」とAG ONEに対する期待を語った。

 ドワンゴの小林宏代表取締役社長は、「ドワンゴが持つシステム運用やコンテンツ開発のノウハウを投入していく」と同社の役割を説明。携帯電話向けサービスに関しては「当社のサービスと重複する分野があるが、両社でシナジー効果が得られるような展開を考えたい」と語った。なお、サービス統合の可能性については「将来的にユーザーにとって有益になるのであれば、検討していく」という。

 ピクチャーマジックは、AG ONEのアニメーション制作事業に対して協力していく。代表取締役社長の中西孝氏は「新しいキャラクターを世に送り出すチャンスがあるという観点から共同開発を進めていく」考えを示すとともに、「番組主題歌など音楽コンテンツとの相乗効果も図っていければ」とした。


関連情報

URL
  ニュースリリース(PDF)
  http://info.dwango.co.jp/pdf/press/2006/20060418_agone.pdf
  AG ONE
  http://www.agone.co.jp/
  関連記事:文化放送、ラジオとネット配信を主軸とした新事業[Broadband Watch]
  http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/11699.html


( 村松健至 )
2006/04/18 18:07

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