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落とし物の情報をネット公開へ、警察庁が法改正提言


 警察庁は17日、拾得物に関する情報をインターネットで住民に公表することなどを盛り込んだ遺失物法案の提言を公開した。警察庁が設置した民間有識者による「遺失物行政研究会」がまとめた。法案は3月7日に国会に提出しており、現在審議中だ。法制化の目処は未定という。

 遺失物の取り扱いは、昭和33年改正の遺失物法に基づいて行なっているが、現行法では、路上や交通機関、施設などにおける拾得物は警察署単位で取り扱われている。そのため、遺失場所がわからなかったり、遺失と拾得の届出先が異なる場合には発見することが困難だった。

 今回提言された遺失物法案は、都道府県内の拾得物に関する情報を警察庁が集約し、各都道府県ごとにインターネットで公表する仕組みを整えるというものだ。これにより住民は、遺失物をネットで検索できるようになる。

 これに伴い、遺失物の所有権移転期間を現行の6カ月から3カ月に短縮し、保管費用の削減を図る。大量・安価な物件や高額の保管費用を要する物件については、警察に届けられてから2週間以内に返還できない時は売却などの処分を可能にするという。

 また、個人情報が記録された文書やカードなどの拾得物が増えていることを受け、今後は拾得者がこれらの物件の所有権を取得できないこととする。この中には、PCや携帯電話も含まれる見込みだ。

 そのほか、遺失物の差出件数の8割を占める鉄道の駅などの施設の負担を軽減する提言も盛り込んだ。施設占有者は、すべての拾得物を警察署長に差し出すとともに、届出から6カ月が経過して所有権を取得した際は、再度警察署におもむいて物件を引き取るなどの負担があった。提言では、拾得物を適切に保管できる施設占有者については、高額物件を除き警察署長への提出を免除し、届出のみで足りることとするとしている。


関連情報

URL
  遺失物法案について(PDF)
  http://www.npa.go.jp/safetylife/chiiki16/20060417.pdf


( 増田 覚 )
2006/04/20 15:57

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