違法ダウンロードは、万引きやカンニングほど悪いことではないと考える傾向が若者にあるとの最新調査結果が明らかになった。違法ソフトウェアや海賊版撲滅を目指す団体「Business Software Alliance(BSA)」の依頼で、米大手調査会社Harris Interactiveが8歳から18歳までの米国在住の若者を対象に行なった調査結果を発表した。
調査によると、「絶対に悪い」行為として92%が万引きを、85%がカンニングを挙げた。万引きとカンニングが8割を超えているのに比べると、「お金を支払わずに音楽をダウンロードすること」は60%、「お金を支払わずにソフトウェアをダウンロードすること」は56%、「お金を支払わずにゲームをダウンロードすること」は54%、といずれも6割以内に止まっている。
また、大人に対する調査から、大人が思ってる以上に若者たちが善悪の基準を理解していることも判明した。同じ調査で「子供が絶対に悪いと考えるであろう行為」を大人に尋ねたところ、「万引き」は77%、「カンニング」は58%、音楽とゲームのダウンロードにいたっては21%、ソフトウェアのダウンロードは20%で、大人は若者が違法性の認識が甘いと考えているが、実際には、大人が考えているよりも若者たちは違法性を認識していることも明らかになった。
若者が万引きやカンニングに比べ、違法ダウンロードを軽い罪とみなしている理由について、テンプル大学の心理学教授であるLaurence Steinberg氏は「カンニングをするときに被害者は人と見なされており、ダウンロードするときは抽象的な存在と見なされているということだ。被害者の人格を無視できるようになるとき、盗みはより簡単になる」と指摘した。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.bsa.org/usa/press/newsreleases/cheating-in-school.cfm
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2006/04/26 12:13
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