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IIJの2005年度決算、専用線接続サービスが回復の兆しか |
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インターネットイニシアティブ（IIJ）は10日、2005年度（2005年4月～2006年3月）の第4四半期および通期の連結決算を発表した。 ● インターネット接続サービスが前四半期比で増収へ まず第4四半期では、売上高が161億3,000万円（前年同期比31.7％増）、営業利益が9億7,000万円（47.4％増）、当期純利益が19億4,000万円（13.9％減）だった。売上高の事業別内訳は、インターネット接続サービスが32億4,800万円、付加価値サービスが26億100万円、ネットワークシステムの運用・保守が29億8,400万円、ネットワークシステムの構築が62億5,800万円、機器販売が10億4,200万円となる。年度末という季節的な要因もあり、ネットワークシステムの構築事業が第3四半期の24億4,000万円から大きく伸びており、前年同期比と比べても約2.2倍の伸びを示した。また、減少傾向にあったインターネット接続サービスを見ると、第3四半期の32億2,700万円から少しだが増加に転じた。広帯域IPサービスの新規受注や既存顧客企業の帯域拡大、多拠点接続案件が順調だったことを受け、専用線接続サービスの売上高が第3四半期の25億8,000万円から、第4四半期には26億300万円に増加したためだ。 なお、専用線の契約数は14,549回線で、前年同期比で3,306回線の増加、前四半期比で825回線の増加となっている。契約総帯域は194.9Gbpsで、前年同期比で73.7Gbps、前四半期比で9.4Gbps拡大している。 ● 2006年度通期では過去最高の売上高・利益 通期では、売上高が498億1,000万円（前年度比19.4％増）、営業利益が24億1,000万円（93.3％増）、当期純利益が47億5,000万円（63.6％増）。増収・増益で、過去最高を達成した。2006年度の連結業績見通しは、売上高が550億円（前年度比10.4％増）、営業利益が32億円（32.7％増）、当期純利益が50億円（5.2％増）と設定している。 IIJの鈴木幸一代表取締役社長は、「2006年度の見通しでいちばん難しいのは、ここで久しぶりに専用線接続サービスが上向いてきた点を今後どう見ていくか」ということだと説明する。 通期で見ると、専用線接続サービスが増加しているとの実績には至っていないが、第3四半期から第4四半期にかけて専用線接続サービスの売上が伸びてはきているという。鈴木社長によれば、この背景の1つに、同社が広帯域のトラフィックを扱うことに対して強いということで10Gbps単位で契約する顧客が現われてきたことがある。 その一方で、「コンテンツ配信ビジネスがどういう展開になるのか、予測が難しかった」という。コンテンツ配信が盛んになればなるほど、インターネット接続サービスが大幅な増収になる可能性はあるが、「まだまだ確信は持てない。慎重に見通しを立てた」としている。 ● Winnyの技術は面白い、適切に作り直すことができれば IIJでは2006年3月、P2P技術を応用したコンテンツ配信システム「SkeedCast」の開発を手がけるドリームボートに出資。同システムにIIJのインフラを提供することなどで提携している。SkeedCastは、P2Pファイル共有ソフト「Winny」の作者である金子勇氏もコア技術の開発に参画したことで注目されているものだ。鈴木社長は、SkeedCastでドリームボートと協業した意図などについて、「みんなWinnyに対してナーバスになっており、IIJでもWinnyを遮断するサービスをやっている。にもかかわらず、あの技術は面白いと考えている。適切なかたちであのサービスを作り直すことで、従来にない安価なコンテンツ配信が可能になるのではないか。もちろん、安全にすることによって、あの技術が持っているいちばんすばらしいところは一時的には使えないかもしれない」「トラフィックは急増している。それに対して何らかの技術で対応していかなければならないという意味で、ドリームボートの持っているアプリケーションは、適切に投入されれば、新しいコンテンツ配信システムになる」と説明した。 関連情報 ■URL ニュースリリース（PDF） http://www.iij.ad.jp/IR/4q05/IIJI4Q05J.pdf ■関連記事 ・ IIJの2003年度第4四半期決算、SI事業が好調で2期連続で黒字化達成（2004/05/14） ・ IIJが2004年度通期で黒字転換、米NASDAQ上場以来の最高益（2005/05/13） ・ IIJの第3四半期連結決算、増収増益で業績予想を上方修正（2006/02/10） ・ Winnyの金子氏も開発に参画したコンテンツ配信システム「SkeedCast」（2006/04/18）
（ 永沢 茂 ）
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