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スパイウェア対策ソフト「Windows Defender」日本語ベータ版が公開


Windows Defenderの画面
 マイクロソフトは2日、スパイウェア対策ソフト「Windows Defender Beta2」日本語版を同社のサイトで無償公開した。対応OSはWindows XP/2000およびWindows Server 2003で、64bit版Windowsにも対応する。正式版は2006年後半に公開の予定。

 Windows Defenderは、スパイウェアや迷惑ソフトウェアを検出・削除するソフトウェア。英語版はすでにベータ版が公開されており、これまでに2,500万人以上が利用しているという。また、正式名称はWindows Defenderだが、日本語版ベータ2には「Windows防御ツール」という名称も付けられている。

 マイクロソフトではスパイウェアについて、「ユーザーの適切な同意を得ずに、広告の表示、個人情報の収集、コンピュータの構成を変更するなどの特定の動作を実行するソフトウェア」と定義。ユーザーに無断で広告を表示するアドウェアや、キー入力を盗み出そうとするキーロガーなどを想定し、Windows Defenderはこうしたソフトウェアのインストールを防ぐ。

 Windows Defenderでは、スパイウェアのインストールを防止するリアルタイム保護機能と、ハードディスク内のスパイウェアを検出するスキャン機能を提供する。リアルタイム保護機能では、スパイウェアが実行された段階だけでなく、インターネットからスパイウェアのファイルをダウンロードした時点でも検出可能。検出したスパイウェアは、危険度に応じて削除するかどうかの指定が可能。

 スパイウェアのパターンファイルは自動的に更新され、標準では毎日午前2時に自動スキャンを行なう設定となっている。また、Windows Defenderは、インストールするとOSにサービスとして登録されるため、PCを利用するすべてのユーザーがWindows Defenderを利用できる。

 Windows Defenderはスパイウェア対策ソフトのため、ウイルスの検出・駆除には対応しない。マイクロソフトでは、SasserやAntinnyなど感染の拡大による影響の大きいウイルスについては「悪意のあるソフトウェアの削除ツール」を提供しているが、ウイルス全般への対策については市販のウイルス対策ソフトを利用してほしいとしている。

 スパイウェアの判定については、マイクロソフトの専門チームが新しいスパイウェアの確認やパターンファイルの開発などを行なう。また、スパイウェアと思われる未知のソフトに対して、ユーザーがどのような処理を行なったかのデータを統計情報として持ち、こうしたデータをもとに、ソフトウェアがスパイウェアであるかの判定基準にするという。

 Windows Defenderは、次期OSのWindows Vistaには標準搭載される機能となる。また、Windows XP SP2では、ウイルス対策ソフトやパーソナルファイアウォールの状況をチェックする「セキュリティセンター」が標準で搭載されたが、Windows Vistaではさらにスパイウェア対策ソフトについてもチェック対象になる予定だという。


関連情報

URL
  Windows防御ツール(ベータ2)
  http://www.microsoft.com/japan/athome/security/spyware/software/

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( 三柳英樹 )
2006/06/02 14:44

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