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Google Spreadsheets
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米Googleは6日、Webブラウザから利用できる表計算アプリケーション「Google Spreadsheets」を発表した。Googleの実験的技術を公開するサイト「Google Labs」で発表されたが、完全な一般公開ではなく、現時点では招待制となっている。メールアドレスを登録しておけば、先着順で招待状が送られてくることになっている。
Google公式ブログの発表によれば、Google Spreadsheetsは、Googleがニューヨークの2Web Technologiesを秘密裏に買収したことによって開発が始まったとされる。このアプリケーションの目的は、高度な表計算ソフトを目指すのではなく、「基本的なスプレッドシート」を複数の人で共有し、同時に編集することだと説明している。
画面を開くと見慣れた表計算ソフトの画面が表示され、すぐにデータを入力できる。数字のフォーマットを指定できるほか、文字の書体や色の変更など、基本的な編集機能が用意されている。読み込むことのできるファイル形式はCSVかXLSで、ワークシートに記されている計算式も含めて読み込まれる。簡単な表計算と言っても200以上の関数が用意されており、数学、統計、金融など、かなり複雑な計算式も利用可能だ。
ファイルは一定期間が経つと自動的に保存されるため、ブラウザの異常などによってデータをすべて失う危険性は低い。また、作成したワークシートはCSVやXLSだけでなくHTMLフォーマットで保存・印刷できる。
Google Spreadsheetsで特に重要な共有機能に関しては、右隅に「Share this spreadsheet」リンクをクリックすると、ワークシートを共有したい人を招待する画面が表示される。そこに編集を許可する人、閲覧だけを許可する人に分けてメールアドレスを入力すると、共有できるようになる。編集が許可されている人は同時に同じワークシートを編集でき、さらに同じ画面に表示されるチャットウィンドウを通してリアルタイムでチャットできる。
現時点でGoogle Spreadsheetsが対応しているブラウザはWindows版のInternet Explorer 6と、Windows/Mac/Linux版のFirefox 1.07以上。JavaScriptが使用できる状態になっている必要がある。
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ファイルのオープン画面
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ファイルメニュー
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共有オプションの招待フォーム
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数値フォーマットの選択メニュー
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実際に使用してみたところ、ユーザーインターフェイスは英語であるものの、日本語のデータも入力でき、また、日本語で作成されたCSVやXLS形式のファイルを読み込むことができた。しかし、Excelで作成されたXLSファイルを読み込んだ場合、画面のレイアウトが崩れることがあり、Excelとの完全な互換性を確保するまでには至っていないようだ。実際、Excelとの互換性は謳われておらず、「基本的なスプレッドシート」に焦点を合わせたアプリケーションと言える。
また、大きなファイルを読み込むとたまにブラウザがハングアップすることもあり、ベータ版としては当然のバグも散見された。しかし、Webアプリケーションとしての動作は非常にキビキビとしており、他の表計算Webアプリケーションと比べても遜色はないと言えそうだ。
実際、表計算Webアプリケーションを発表するのはGoogleが初めてではなく、有名な表計算Webアプリケーションとしてはnumsum、iRows、Zohosheetなどがよく知られている。
Googleは、ブラウザを使ったワープロソフト「Writely」もすでに買収している。ワープロと表計算ソフトというオフィスで使用される2大ソフトを確保し、Microsoftの強力なライバルと成りうる可能性を指摘する声も多い。
関連情報
■URL
Google Spreadsheets(英文)
http://spreadsheets.google.com/
ニュースリリース(英文)
http://www.google.com/press/annc/spreadsheets.html
Google公式ブログの該当記事(英文)
http://googleblog.blogspot.com/2006/06/its-nice-to-share.html
■関連記事
・ Google、ブラウザでワープロ文書が作成できる「Writely」を買収(2006/03/10)
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2006/06/07 11:47
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