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総務省、FMCへの060番号割り当てなど電気通信番号に関する二次報告書


 総務省は、「IP時代における電気通信番号の在り方に関する研究会」の内容を取りまとめた第二次報告書を公開した。


FMCの新規番号には「060」。携帯電話・PHSや050も一定範囲で利用可能

 この研究会は、固定電話の新規参入やIP電話の急激な普及など電話サービスを取り巻く環境が大きく変化する中で、電気通信番号が不足する可能性を踏まえた番号確保を目的として開催されたもの。また、ネットワークのIP化に伴い距離に依存しない通話料金制度が可能になり、市内・市外の識別ニーズも低下が予想されるといった現状も踏まえ、電気通信番号の役割そのものについても見直しを図っていく。

 第二次報告書の内容は、4月27日に公開された報告書案とほぼ同様。固定電話と携帯電話を融合するFMC(Fixed Mobile Convergence)に関しては、「最低限の通話品質確保」を条件とした上で、「1番号かつ1通話で提供されるサービス」「ネットワークの形態や通話料金、通話品質などは番号から識別できない」など、制約は必要最小限にすることが適当とされた。

 FMCで利用する番号には、新規の場合は新たに「060」を利用することが適当としたほか、携帯電話の「090/080」、PHSの「070」、IP電話の「050」など既存の番号も一定の範囲内で利用可能とする考え。なお、固定電話へ割り当てられている「0AB~J」番号は、現時点ではFMCへの利用は不適当とされた。総務省ではFMCの早期導入を目指し、サービス区分や技術条件などを2006年度中に検討する方針だ。


FMCのサービスイメージ

インターネット電話への転送は「ガイダンスが必要」

 既存電話網をインターネットへ転送するサービスに関しては「インターネットは通信事業者の責任が及ばず、発信者にはインターネット経由で転送されていることがわからない」との課題を指摘。いったん既存網着信を受けた上でインターネットへ転送する形態であり、さらにインターネット経由であることをガイダンスで告知する必要があるとした。また、番号通知に関しては、発信元と転送元と2種類の番号が考えられるが、利用者利便性の観点からは発信元の番号通知が適当としている。

 なお、インターネット電話から発信して既存電話網へ着信するサービスに関しては、「通知された番号にかけ直してもつながらない場合がある」「0AB~J番号を表示した場合は地理識別性の点で問題がある」といった点から慎重な対応が必要であり、一般的には発信者番号を通知しないことが適当であるとした。ただし、050番号などの「0A0」番号であれば、着信転送サービスの利用者からの発信であることが確認できる場合に限り、既存電話網の番号を通知することも考えられるとしている。


インターネット電話への転送例

 NTT東西が窓口番号で利用している「116」番号は、新規サービスへの案内を116で行なうことが他事業者との競争条件に差異をもたらすとし、新規サービスの受付番号としては116をではなくフリーダイヤルのような着信課金番号を広告するべきと指摘。一方、行政へ対する問い合わせに関しては高い公共性が認められ、ひっ迫への可能性も少ないことから「1XY」番号の使用が適当とした。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.soumu.go.jp/s-news/2006/060616_1.html

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( 甲斐祐樹 )
2006/06/16 17:16

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