他人のPCからインターネットバンキングのID・パスワードを入手し、自分の口座に振り込ませようとしたとして、兵庫県警生活安全企画課は6月30日、長崎県の無職男性(27歳)を不正アクセス禁止法違反などの容疑で逮捕した。
兵庫県警によれば、容疑者は、PCのHDDに保存されたすべてのデータをインターネット上に公開するウイルス「山田オルタナティブ」に感染しているPCの情報を2ちゃんねるで入手し、150人以上のPCから個人情報を入手していた。
容疑者は、兵庫県加西市に住む病院職員のPCから、インターネットバンキングのID・パスワードなどを取得。5月27日にはみなと銀行、5月29日には但馬銀行のインターネットバンキングの口座に不正アクセスし、自分の銀行口座にそれぞれ10万円と5万円を振り込もうとしたが、操作ミスなどにより2回とも未遂に終わった。
被害者は、P2Pファイル共有ソフト「Winny」で音楽ファイルをダウンロードしようとしていたところ、山田オルタナティブに感染したという。山田オルタナティブに感染したPCは、WebサーバーとしてHDDの全内容をインターネット上に公開するため、第三者からファイルがPC内のファイルを閲覧されてしまう。
なお、みなと銀行などでは、インターネットバンキング利用者に対して、「Winnyを極力削除するとともに、セキュリティ対策ソフトのアップデートを励行してほしい」とコメントを発表している。
関連情報
■URL
兵庫県警
http://www.police.pref.hyogo.jp/
みなと銀行「インターネットバンキングの不正利用について」
http://www.minatobk.co.jp/info/ib_illegaluse_info.html
但馬銀行「インターネットバンキングの不正利用について」(PDF)
http://www.tajimabank.co.jp/topics/IB_fuseitorihiki.pdf
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・ HDDの全内容を公開する「山田オルタナティブ」、Winny利用者以外も注意(2006/03/03)
( 増田 覚 )
2006/07/03 17:01
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