電話による顧客満足度を調査している米Vocal Laboratoriesは18日、電話によるカスタマーサービスの顧客満足度において、米PayPalが伝統的な金融機関と比較して同等以上であるとの調査結果を発表した。PayPalは金融機関以外の企業と比べても優秀な成績を上げており、顧客満足度の高さがうかがえる結果となっている。
この調査は、PayPalのほか、金融機関のWashington Mutual、Bank of America、Wells Fargo、Citibankの計5社を主眼にして行なわれた。ただし、評価となる基準は金融機関だけでなく、他の業態にも同等に当てはまるとしている。
調査によると、PayPalの電話応対の顧客満足度は今回“C”から“B”へと1ランク上がった。また、電話をかけ直すことなく一度の通話で用件を終えることができる割合を調査する「通話完結度」の分野でもPayPalは格付けを“C”から“B”へと1ランク上げている。
これに対して他の金融機関を見ると、Washington Mutualは顧客満足度で“A”から“B”へと格付けを落としたが、通話完結度では“C”へと格付けを上げた。Wells Fargoは顧客満足度で“C”から“B”へと上げ、通話完結度では評価を維持した。これによりWashington MutualとWells Fargoの2社が、伝統的金融機関の電話による満足度では最上のサービス品質を持っていることが明らかになった。
Bank of Americaは通話完結度で“D”、顧客満足度で“C”、Citibankは通話完結度で“C”、顧客満足度で“D”という結果になっている。PayPalは伝統的金融機関と同等か、あるいはそれ以上の成績をあげていることが判明したことになる。
PayPalは伝統的金融機関と直接競合する立場にはないが、年間数百万件もの決済を取り扱っており、ユーザーの立場からは一種の金融機関と見なすこともできる。この分野では多くの競合企業があるにもかかわらず、PayPalは当初からシェアを伸ばし続けてきた。最近では米Googleが発表した決済サービス「Google Checkout」と競合すると見られており、PayPalの親会社である米eBayが神経質な動きを見せている。しかしPayPalが広く利用されている背景には、こうしたカスタマーサービスの向上という地道な努力があることが今回の調査で明らかになったと言えよう。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.vocalabs.com/about/pr42.html
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2006/07/19 12:37
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