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オークション出品者のマイナス評価と落札価格との間に関係性が発見される


 これまでオークション出品者のマイナス評価の数は落札価格にそれほど大きな影響を与えないという学説が知られていたが、ドイツの経済学者らが発表した新研究によって、出品者のマイナス評価は確かに落札価格に影響を与えているとの新たな関係性が発見された。オークション終了時間と落札価格の関係性も調査され、一般の感覚とは逆の興味深い結果が得られたという。

 この研究は、University of BonnのOliver Gurtler氏とUniversity of AachenのChristian Grund氏の2人の経済学者による「The Effect of Reputation on Selling Prices in Auctions」と題する論文だ。研究は2005年11月から12月まで、ドイツのeBayにおいて、比較的新しく発売されたDVDを300以上のオークションで出品するという方法によって行なわれた。

 この研究によって新たに判明したことは、マイナス評価の絶対数は落札価格に影響を与えないが、全評価に占めるマイナス評価のパーセンテージは確かに落札価格に影響を与えていたという事実である。これまではマイナス評価の絶対数に注目が集まっていたため、この事実が見過ごされていたと両氏は指摘している。

 実験に使われたeBayアカウントは、マイナス評価のパーセンテージがそれぞれ0〜6.7%と開きがある状況だった。この状況で実験した結果、マイナス評価のパーセンテージが1ポイント増すと、落札価格が4%下がるという現象が発見された。実験では、マイナス評価が1%の売主は、マイナス評価が2%の出品者よりも0.5ユーロほど高くDVDを売却できていた。

 もう1つ興味深い結果が報告された。通常、オークションの終了時間は夜の遅い時間帯に設定すると落札価格が高くなるとされてきた。しかし今回の実験では、週末や平日の夜遅くにオークションの落札時間を設定しても落札価格自体には大きな影響を与えないという結果が得られたのだ。

 論文ではその理由として、オークション市場の供給側を考慮に入れなければならないと指摘する。夜遅い時間には仕事から帰ってきてeBayを閲覧する人の数が増えるため、eBayのインプレッション数は増えるが、供給側(出品者側)があまりにも多いため、需要側(入札者側)とのバランスが崩れており、結果として落札価格に影響を与えていないと指摘する。

 この論文は、経済学において評判が価格とどれほど関係してるかという問題意識を持って行なわれた研究だが、実際のインターネットオークションで実験された結果であることを考えると、市民のオークションへの出品戦略にも有益な情報となるかもしれない。


関連情報

URL
  The Effect of Reputation on Selling Prices in Auctions(英文、PDF)
  http://www.gesy.uni-mannheim.de/dipa/114.pdf
  関連記事:落札価格はなぜ上がるか」〜ビジネススクール教授がオークションの秘訣を分析
  http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2001/1107/auction.htm


( 青木大我 taiga@scientist.com )
2006/08/01 13:59

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