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Sequoia Capitalが出資する謎のP2P企業「Skyrider」が秋に新製品を発表


 これまで正体を隠しながら技術開発を続けてきた米Skyriderが3日、P2Pネットワークに関連する同社初の商品を秋にも発表する予定であることを明らかにした。

 Skyriderは2003年に設立され、有力ベンチャーキャピタルであるSeqoia Capitalが出資していることでも注目されている。Sequoiaは米Google、米Yahoo!、米PayPalに出資して育て上げた実績を持ち、最近ではYouTubeにも資金を拠出している。SkyriderにはSeqoia Capitalのほかに、Charles River Venturesも出資している。

 Skyriderの製品がどのようなものになるかは全く明らかになっていない。しかし同社の製品が世の中にどのような影響を与えるかについて3つの可能性を示している。1つ目はキーワードベースのP2Pサーチ、2つ目はコンテンツへの無制限でよりダイナミックなアクセス、3つ目がP2Pアーキテクチャに基づく新アプリケーションの爆発的な登場だとしている。

 SkyriderのCEOであるEd Kozel氏は、特にキーワードを利用したサーチマーケティングに強い興味を寄せているようだ。Kozel氏は「キーワードベースのサーチマーケティングはP2P空間で運用することによって爆発的な勢いを得るだろう。毎日何千万ものユニークユーザーが何億もの検索を行なっている」とコメント。効果的なサーチマーケティングプラットフォームを提供することによって、広告主に対して数千万ものキーワード関連広告を提供する機会が与えられると考えているようだ。さらに現在行なわれているP2P検索のほとんどがエンターテイメント関連であるが、近い将来にこれらの検索が異なるバーティカルマーケットにまたがるさまざまなコンテンツに広がる可能性を指摘している。

 さらに、中央サーバーのインデックスに対してキーワードで検索するのと異なり、P2P空間におけるキーワードサーチではよりダイナミックに、より多数のコンテンツにアクセスすることができ、コンテンツプロバイダーにとって新しく、効果的な配信方法を提供できるとしている。また、P2P空間を利用するユーザーに企業が接触できるようになれば、この分野におけるソフトウェアやアプリケーションが爆発的に増えることが予測され、そのネットワーク効果により、このP2P空間を便利にしていくことを期待している。

 Skyriderによる今回の発表やコメントを考えると、同社はP2Pネットワークに関係する検索技術の開発を行なっていると推測できそうだ。Skyriderによる初めての製品は今秋に発表される予定だとしており、これが現実にどのような商品になるのかが注目されるところだ。


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URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.skyrider.com/about/press.php


( 青木大我 taiga@scientist.com )
2006/08/04 12:58

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