米Googleのインスタントメッセージ・IP電話クライアントの「Google Talk」英語版の新バージョンが公開されたことが16日に発表された。3つの大きな新機能が追加されており、Googleらしい“ひねり”も加えられている。
● ボイスメール機能はGmailとも連携
その1つ目はファイル転送機能だ。この機能は“シンプル”“高速”“面白い”という3つのコンセプトで開発されている。シンプルという意味では、転送したいファイルをGoogle Talkにドラッグ&ドロップするだけで手続きはほぼ完了だ。あとはコンタクトリストの相手が「Accept」して受け入れると同時に転送がスタートする。このファイル転送は完全にP2Pで相手のコンピュータに直接接続して行なわれるため、非常に高速だ。制約のあるファイアウォールを通すような場合でも比較的高速に転送できるとしている。
特にGoogle Talk開発チームでは、このファイル転送機能を利用して写真を共有することを勧めている。例えば10枚のデジカメ写真画像をGoogle Talkにまとめてドラッグ&ドロップすると、チャットウィンドウにサムネイル画像が表示される。相手にもこのサムネイル画像が表示されるので、同じ写真を見ながら相手とチャットできる。あとで完全な画像を相手に送信することもできる。
2つ目の機能はボイスメールだ。ボイスメール機能を利用するように設定しておくと、相手を4回呼び出して応答がなかった場合、ボイスメールを残すことができる。コンタクトリストの相手がGmailを利用してる場合、録音されたメッセージが音声ファイル形式で相手のGmailアドレスに送信される。Gmail側では電話アイコンとともにその相手からのボイスメールであることがサブジェクトに表示され、Gmailに組み込まれたFlashによるボイスメールプレーヤーでその場で再生できる。相手がGmail利用者でない場合、コンタクトリストにメールアドレスを登録しておけば、オーディオファイルを送信できる。この場合、受け取った音声ファイルは相手のデフォルトアプリケーションで再生されることになる。最大で10分の音声を録音することができるという。
● 再生している音楽のタイトルを相手に表示する「音楽ステータス」機能も
3つ目の機能は「音楽ステータス」というものだ。これはGoogle Talkでチャットしてる相手に自分が現在聴いている楽曲のタイトルを表示できるというものだ。逆に相手の聞いている楽曲を表示させることもできる。もちろん公開しない設定も可能だ。この機能を利用するためには、Google Talkが対応しているiTunes、Windows Media Player、Winampなどの音楽プレーヤーで音楽を流しているだけでよい。Google Talkは自動的に楽曲タイトルを呼び出してこの機能のために利用する。
さらにこの機能を利用して、今回新しく発表された「Google Music Trends」にデータを提供することもできる。これは、Google Talkユーザーが聴いている楽曲データをもとに音楽トレンドを発見しようとする試みで、Google Labsプロジェクトの1つとして発表された。たくさんのGoogle Talkユーザーが集まれば集まるほど、人気のある音楽がわかる仕掛けだ。最も売れている歌曲ではなく、最も聴かれている楽曲がわかるという意味で新しい試みと言えるだろう。
このように新しく公開されたGoogle Talk英語版は意欲的な機能を搭載している。英語版ユーザーはここ数日のうちに自動的にアップデートされるが、すぐに利用したいユーザーはGoogle TalkのWebサイトから直接ダウンロードすることも可能だ。なお、日本語版は未だベータ版のままで、こうした新機能には対応していない。
関連情報
■URL
新機能の概要(英文)
http://www.google.com/talk/whatsnew.html
GoogleTalk公式ブログの該当記事(英文)
http://googletalk.blogspot.com/2006/08/its-finally-here.html
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2006/08/17 12:05
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