米Googleと米eBayは28日、両社がテキスト広告と「Click-to-Call」広告の2つの分野で複数年契約を行なうことで合意したと発表した。
1つ目は米国以外のeBayサイトにGoogleのテキスト広告を掲載することだ。eBayの利用者の約半数は米国外て利用するというデータがあり、Googleにとってこれは巨大な市場となる。一方、現在eBayで米国内の広告を担当している米Yahoo!にとっては市場を拡大する機会を失ったことになるだろう。
もう1つの分野は、eBayの米国内・米国外双方の市場とGoogleプラットフォーム上で、SkypeあるいはGoogle Talkを使用した「Click-to-Call」広告を推進していくことだ。Click-to-Call広告とは、掲載されている広告をクリックすると直接相手の店舗にインターネット電話がつながり、そこで商談ができる広告のことだ。特にインターネットを利用していない店舗にとって有望な広告手段であると考えられている。
また、それ以外の提携内容としては、近い将来、Skypeのカスタムボタンを付加したGoogleツールバーをダウンロードするオプションを提供すること、さらに重要なこととして両社が標準規格に基づいてSkypeとGoogle Talk同士のテキストチャットとオンラインプレゼンスの互換性を確保できるかどうかを検討するとしている。
両社間の提携関係は2007年初頭に実験が開始され、数カ月間にわたって評価された後、実際の市場に順次投入されることになっている。
eBayとGoogleは、さまざまな市場で互いに激しく競争している。例えば今回提携の方向が模索されているSkypeとGoogle Talkでも競争があるほか、最近発表されたGoogle CheckoutとeBayのPayPalでは決済市場で激しく競い合うことが予想されている。また、eBayの本業とされるオークション市場でもGoogleがGoogle Baseを投入し、重なり合うコンセプトで競争が繰り広げられている。それだけに今回の大規模な提携は大きなインパクトを与えた。
関連情報
■URL
Googleのニュースリリース(英文)
http://www.google.com/press/pressrel/ebay.html
eBayのニュースリリース(英文)
http://investor.ebay.com/ReleaseDetail.cfm?ReleaseID=209064
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2006/08/29 11:46
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