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総務省の検討会、著作者情報の登録制度と著作物の保護期間延長を提案


 総務省は、2006年2月から7月にかけて開催した「ユビキタスネット社会の制度問題検討会」の報告書を公表した。報告書では、著作権制度の整備試案として、著作物に関係する権利者情報の登録制度を新設するとともに、権利の所在が明確な著作物については権利の保護期間を延長することが提案されている。

 報告書では、インターネット放送など著作物の利用機会が拡大する中で、映像コンテンツでは1つの作品に多くの権利者が存在することから、コンテンツの利用許諾が煩雑になっていると指摘。一方で、過去の著作物について二次利用の機会が増える中で、権利者の保護の観点から保護期間の延長を求める声もあるとしている。

 このため、検討会では試案として、著作物の権利者情報に関する登録制度を新設するとともに、登録制度によって権利の所在が明確になった著作物に限って権利の保護期間を延長することを提案している。現在、著作権者の権利の保護期間は原則として死後50年(映画の場合は公表後70年)となっている。試案では、権利者情報を登録した場合に、保護期間を80年に延長するといった例を挙げている。

 また、登録された権利者の所在が不明となった場合には、裁定により使用料相当額の補償金を供託することで、著作物の利用を可能とする制度の活用を提案している。検討会では、権利者情報の登録制度と登録済み著作物の保護期間延長制度の導入により、著作物に関わる権利保護期間の延長という要請に応えながら、権利の保護と著作物の公正な利用のバランスを図れるとしている。


関連情報

URL
  「ユビキタスネット社会の制度問題検討会報告書」の公表
  http://www.soumu.go.jp/s-news/2006/060905_5.html


( 三柳英樹 )
2006/09/08 20:04

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