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マイクロソフトWindows本部のJay Jamison本部長
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マイクロソフトは12日、次期OS「Windows Vista」の製品候補版となる「Windows Vista RC1」を9月1日にリリースしたことを受け、RC1で新たに搭載された機能などに関する説明会を開催した。
マイクロソフトWindows本部のJay Jamison本部長は、Windows Vistaは開発およびテストが最終段階に来ており、RC1は6月に公開したベータ2と比較して安定性やパフォーマンスを大幅に改善したと説明。開発パートナーとの協力により、RC1には既に約18,000のプラグ&プレイドライバが搭載されており、今後はさらにRC1でテストを実施してもらうことで製品版のリリースに向けて準備を進めているとした。
RC1の主な改善点については、Windows本部ビジネスWindows製品部シニアプロダクトマネージャーの飯島圭一氏が解説。飯島氏はRC1の新機能として、ユーザーの操作手順を1ステップごとに指示する「ガイドヘルプ」を紹介した。
ガイドヘルプは、例えば「スタートメニューからコントロールパネルを開き、インターネットオプションを選択」といったユーザーの操作手順を、ステップごとにガイドしてくれる機能。ガイドヘルプを選択すると、ユーザーが次に操作するべきボタンやアイコンなどがハイライト表示され、その横に説明文のウィンドウが開く。これにより、ユーザーが操作手順を覚えることができるほか、一連の動作を自動的に実行する機能も備える。
ガイドヘルプは通常のWindowsのヘルプ画面から呼び出すことができるが、利用できるのは「インターネット一時ファイルを削除する」などのあらかじめガイドが用意されている操作に限られる。マイクロソフトでは、製品版の出荷までには約30種類のガイドヘルプが用意され、その後はサポートに問い合わせの多い操作を中心に順次オンラインで追加する予定としている。
このほか、CPUやディスクなどのリソースをリアルタイム監視する「パフォーマンスモニタ」に加えて、ソフトウェアのインストールなどシステムの信頼性に関わるイベントを追跡する「信頼性モニタ」を搭載。OSの動作がおかしくなった場合などに、信頼性モニタのログを見ることで、原因の究明に役立つとしている。
また、ファイルに関しては、誤って消してしまったファイルを簡単に復元できる「ボリュームシャドーコピー」機能を搭載。ファイルは定期的にバックアップされるほか、ファイルに変更が加わった時点でもバックアップが行なわれており、ファイルを削除や上書きしてしまった場合でも以前の状態に戻せるようになっている。この機能は、ファイルやフォルダのプロパティから「以前のバージョン」というタブを選択し、復元したい日時のバックアップを選ぶことで簡単に利用できる。
RC1の配布は、現時点ではベータ2公開の際に登録したユーザーのみを対象としている。これについてマイクロソフトでは、近日中に新たに登録受付を開始するとしており、IT部門の管理者やPCの習熟度の高い個人ユーザーなどに対して、テストへの参加を呼びかけた。また、米国ではWindows Vistaの製品版の価格も発表されたが、日本語版については「できるだけ早い時期に発表します」として、現時点での明言は避けた。
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ユーザーの操作手順を1ステップごとに指示する「ガイドヘルプ」。RC1ではメッセージがまだ英語のまま
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誤って削除や上書きしてしまったファイルを復元できる「ボリュームシャドーコピー」機能
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関連情報
■URL
Microsoft Windows Vista カスタマープレビュープログラム
http://www.microsoft.com/windowsvista/ja-jp/preview.mspx
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・ Windows Vista RC1、ベータ版登録ユーザーへの公開開始(2006/09/07)
・ マイクロソフト、Windows Vistaの予想小売価格を公表(2006/09/06)
( 三柳英樹 )
2006/09/12 17:52
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