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NTTデータ、遺伝子情報144名分などがWinnyで流出


 NTTデータは13日、社外との複数の共同研究プロジェクトにおける関係者の個人情報172名分、および業務関連情報431件が、P2Pファイル共有ソフト「Winny」のネットワーク上に流出したことを明らかにした。NTTデータの社員が、これらのデータを個人所有のPCに保存・作業していたところ、Winnyを通じてウイルスに感染したことが原因だ。

 流出したのは、社外のプロジェクト関係者146名とNTTデータ社員26名の個人情報。これには、氏名や自宅連絡先(住所、電話番号、メールアドレス)が含まれる。加えて、複数の共同研究プロジェクトの技術資料等431件。これには、技術調査資料、技術検討資料のほか、システム設計・運用資料、研究データなどが含まれる。

 この社員は、2005年秋から2006年3月にかけてプロジェクトに従事していた。その間、自宅での作業を目的に、業務関連ファイルをUSBメモリを用いて持ち出し、個人所有のPCに保存していたところウイルスに感染、情報が流出した。NTTグループのセキュリティ監視組織からNTTデータに連絡があり、2006年9月7日に流出が判明した。

 なお流失した業務関連情報には、NTTデータが理研遺伝子多型研究センターと共同研究していた内容、合計111ファイルが含まれている。その中には患者144名分の遺伝子情報が存在するという。理研では、「遺伝子情報を扱うにあたり、生命倫理委員会の規定に基づき、データを収集する段階で匿名化を行なっている。よって、遺伝子情報から個人を特定することはできない」とコメントしている。

 また理研は、NTTデータ社員が無許可でデータを持ち出したことや、作業で使ったPCにWinnyがインストールされていたことなどを挙げ、これは理研の定める情報セキュリティ規定および共同研究契約書の機密保持契約に違反していると指摘した。「理研としても損害を被ったので、NTTデータに対し何らかの然るべき処置を取ることも考えられる」(理研担当者)という。


関連情報

URL
  ニュースリリース(NTTデータ)
  http://www.nttdata.co.jp/release/2006/091300.html
  ニュースリリース(独立行政法人 理化学研究所)
  http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2006/060913/


( 野津 誠 )
2006/09/13 18:10

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