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「Live.jp」はRSSとガジェットで理想のポータルサイトに

マイクロソフトが「Windows Live」の説明会を開催

Windows Liveを構成するサービス群
 マイクロソフトは13日、Webプラットフォーム「Windows Live」に関する説明会を開催した。Windows Live上で提供されるサービスや事業戦略が説明された。

 Windows Liveは、個人向けのインターネットサービスを統合したWebプラットフォーム。カスタマイズ可能なホームページ「Live.jp」や検索サービス「Liveサーチ」、Webメール「Liveメール」、インスタントメッセンジャー「Liveメッセンジャー」、セキュリティ対策「Live OneCare」などのサービスで構成される。


RSSフィードとガジェットを追加可能なポータルサイト

Live.jpのトップ画面

RSSフィードの登録画面
 Live.jp(海外ではLive.com)は、RSSとAjaxを全面的に採用したポータルサイト。これまでベータ版として公開していたが、11日に世界47市場で正式提供が開始された。ニュースをはじめとする各種サイトのRSSフィードのほか、Liveメールの受信トレイやLive OneCareのスキャン結果など、Windows Liveサービスの情報をユーザーがカスタマイズして表示できる。

 Live.jpに追加するRSSフィードは、「ニュース&スポーツ」「ファイナンス&ビジネス」「エンターテイメント」「旅行」「コンピュータ」など、マイクロソフトがあらかじめ用意したディレクトリの中から取得できる。さらに、「フィードを検索」という検索窓で指定したキーワードに関するRSSフィードを検索し、検索結果画面からワンクリックでLive.jp上にRSSフィードを追加できる。

 RSSフィードのほかに、時計や地図などのガジェットを追加することも可能だ。ガジェットは、マイクロソフトが用意したもの以外に、デベロッパーが提供するガジェットを専用ページからダウンロードできる。

 専用ページは日本で未公開だが、米国では2005年秋に開設。現在ではデベロッパーが開発したガジェットが400以上公開されているという。ガジェットは、ダウンロード数順や公開された日付順でソート可能となっており、ユーザーは無料でダウンロードできる。


クライアント型メールソフト並の機能を備えた「Liveメール」

Windows Liveプロダクトマップ
 Liveサーチは、ポータルサイトのLive.jp上などから利用できる検索サービス。LiveサーチもLive.jpと同様にカスタマイズ機能が特徴の1つだ。例えば、現在は英語版のみで提供されている「マクロ機能」というものがある。

 これは、スポーツ関係やゲーム関係など、ユーザーが集めたサイト群のみを検索対象とするものだ。これにより、検索したいキーワードと関係のないWebページが表示されることがなくなるという。

 このサイト群はマイクロソフトが提供するのではなく、ユーザーが作成したものがガジェットと同様に専用ページで公開される。ユーザーは無料でダウンロードして、検索オプションの1つとしてマクロ機能を追加できる。

 Liveメールは、「Hotmail」を改良したWebメールサービスで、2GBのディスク容量を利用できる。Ajax技術を採用したことで、毎回新しくページを読み込まずにメールをプレビューしたり、ドラッグ&ドロップでメッセージをフォルダに移動できるようになった。メールを指定して、右クリックメニューから「返信」「削除」「未開封にする」「印刷」などを実行する機能も備える。

 また、フィッシング対策機能も強化。アドレス帳に登録されていないユーザーからのメールには、「不明な差出人からのメッセージです」として黄色い画面で警告。メールのヘッダを詐称するメールに対しては、赤い画面で警告を表示する。

 Liveメッセンジャーは、「MSN Messenger」の後継版となるインスタントメッセンジャー(IM)ソフト。新機能としては、ファイル共有機能をサポートした。共有したいファイルをドラッグ&ドロップするだけで、指定した友人たちとファイルを共有できる。なお、iモードの一部機種ではLiveメッセンジャー機能をサポートしている。今後は、他のキャリアの機種でも同機能を利用できるようにするという。

 Live OneCareでは現在、オンラインでPCのスキャンを行なう無償サービス「Windows Live OneCare PC セーフティ」を提供。ウイルスの検出・駆除のほか、HDDのデフラグや不要ファイルの削除も可能だ。ただし、リアルタイムのウイルススキャン機能は提供していない。マイクロソフトでは、無償版の機能を向上させた有償版「Live OneCare」を国内で提供する予定だが、開始日や料金は明らかにされていない。


Liveメールでは右クリックメニューから「返信」「削除」が可能 アドレス帳に登録されていないユーザーからのメールを警告する

Googleとの差別化は「Windows上のソフトとオンラインサービスの統合」

マイクロソフトの塚本良江執行役オンラインサービス事業部長

Windows Liveの事業戦略
 マイクロソフトの塚本良江執行役オンラインサービス事業部長は、Windows Liveの事業戦略として「ソフトウェア+サービス」と「広告ビジネスモデル」の2つを掲げる。

 まず、ソフトウェア+サービスとは、従来Windows上で提供していたソフトウェアと、オンライン経由のサービスを統合することだ。そして、Windows Liveのサービス上に掲載されるオンライン広告が同社の収益となる。今後は、Windows Liveのほか、「Office Live」や「Xbox Live」などのオンラインサービス上でもオンライン広告を掲載するという。

 また、Windows Liveのプラットフォームでは、デベロッパーが参加できるエコシステムが実現したという。Windows Live上でデベロッパーが公開したガジェットなどを、ユーザーがダウンロードすることにより、Windows Liveの事業拡大を図る考えだ。

 なお、マイクロソフトのポータルサイトとしては、Live.jpのほかに「MSN」がある。Live.jpとMSNの棲み分けについて、塚本氏は次のように説明する。

 「MSNのユーザーは、あらかじめ編集されたコンテンツを受動的に閲覧することが多い。一方、Live.jpのユーザーは、ホームページをカスタマイズするなど、インターネットを積極的に使っている。ユーザーの内訳ではMSNが大半を占める。Live.jpは、1つのポータルサイトに閉じ込められたくないというユーザー向けの入り口」。

 このほか、検索エンジン分野で先行するGoogleとの差別化についても言及。「Googleのサービスの大半はWeb上で完結している。マイクロソフトは、PC(Windows)上のソフトウェアとWeb経由のサービスをシームレスにつなげることがポイント。具体的には、Web検索だけでなく、デスクトップ検索やイントラネット検索などにフォーカスすることが勝機につながる」(塚本氏)とした。オンラインサービス事業部 Windows Live グループディレクターの淺川秀治氏も「Web検索機能でもインデックスの拡大や精度の向上を図っている」と補足した。


関連情報

URL
  Live.jp
  http://www.live.com/

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( 増田 覚 )
2006/09/13 18:57

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