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国内のオンライン詐欺被害者は341万人、被害総額は1,304億円〜BBA調査


日本のオンライン詐欺の被害推定
 ブロードバンド推進協議会(BBA)は27日、インターネット利用者を対象にしたオンライン詐欺に関する調査結果を発表した。

 調査は、ヤフーのリサーチモニターの中から、インターネットの一般的利用層を対象とする一次調査と、オンライン詐欺の被害者を対象とする二次調査に分けて実施。一次調査の調査期間は7月11日から13日までで、有効回答数は1,140件、二次調査の調査期間は7月21日から24日までで、有効回答数は479件。

 オンライン詐欺は、「ワンクリック詐欺」「フィッシング」「オークション詐欺」「不正請求メール」「スパイウェアによる銀行・クレジットカード番号盗難での不正請求」の5つに分類。これらの手段で金銭を騙し取られたり、物理的・精神的な被害を受けたという人を被害者と定義した。

 一次調査によれば、これまでに何らかのオンライン詐欺の被害を経験したという人は4.7%。総務省が発表した日本のインターネット利用人口7,270万人(「ネットワークと国民生活に関する調査」を参照)のうち、341万人が被害を受けている計算になる。また、被害総額は1,304億円と推定されるという。

 オンライン詐欺に関する用語の認知度は、オークション詐欺が82.2%、フィッシングが80.1%、スパイウェアが71.2%、ワンクリック詐欺が83.7%、架空請求メールが89.7%と、全体的に高い認知率を示した。

 セキュリティ対策としては、ウイルス対策ソフトを導入している人は65.3%で半数を超えたが、スパイウェア対策ソフトの導入率は28.9%で、3割に満たなかった。なお、定期的なOSのアップデートを行なっているのは37.1%で、ウイルス対策ソフトの導入率よりも低かった。


オンライン詐欺の認知・被害の経験 オンライン詐欺に関する認知度

知識不足が原因で若年齢層の多くがワンクリック詐欺の被害に

BBAセキュリティ専門部会の部会長を務めるウェブルート・ソフトウェアの野々下幸治テクニカルサポートディレクター

オンライン詐欺の種類別被害経験
 オンライン詐欺の被害者を対象にした二次調査では、詐欺の種類別被害や被害金額、被害後の対応などを調査した。

 これまでに被害を受けたオンライン詐欺の種類としては、オークション詐欺が46.1%と最も多かった。28.9%で2位のワンクリック詐欺は、被害者の性別が女性の23.4%に対して男性が34.5%。この数値は、ワンクリック詐欺が、アダルトサイトを中心に展開されていることを示しているという。

 世代別の被害傾向としては、15〜19歳でワンクリック詐欺の被害に遭った人が59.5%と突出している。その一方、20歳代では37.3%、30歳代では26.9%、40代では22.3%と、年齢が高くなるほど被害経験が下がる傾向が見られた。ワンクリック詐欺の被害回数でも、15〜19歳は平均2.5回で、20歳代の1.3回、30歳代の2.1回、40歳代の1.3回など他の年齢層を上回った。

 多くの若年齢層がワンクリック詐欺の被害に遭っていることについて、BBAセキュリティ専門部会の部会長を務めるウェブルート・ソフトウェアの野々下幸治テクニカルサポートディレクターは、次のように分析する。

 「ワンクリック詐欺は、料金を請求されても金銭を振り込まなければ被害には遭わない。ところが若年齢層は、インターネットの利用時間が多いにもかかわらず、こうした知識が不足している。そのため、何度もオンライン詐欺の被害に遭いやすい」。

 若年齢層のワンクリック詐欺被害者が多い反面、オークション詐欺では30歳代以降の被害が目立つ。世代別の被害率では、15〜19歳が7.2%、20歳代が45.4%、30歳代が50.9%、40歳代が51.8%、50歳代が50.6%と、30歳代以降は半数を超えた。オークション詐欺では価格の高い商品を架空出品して金銭を騙し取るケースが多いため、「若年齢層よりも金銭的に余裕のある30歳代以降の世代が被害に遭いやすい」(野々下氏)という。


世代別のオンライン詐欺被害 ワンクリック詐欺の被害回数

オンライン詐欺被害者の大半は金銭的被害も受ける

 実害金額の1人あたりの平均額では、スパイウェアによるカード番号盗難が93,756円で圧倒的に多い。以下は、オークション詐欺の50,124円、フィッシング詐欺の27,389円、不正請求メールの25,134円、ワンクリック詐欺の15,373円と続いた。

 なお、オンライン詐欺の被害を受けても、実際に金銭を支払っていないという人の割合は、ワンクリック詐欺が49.9%、フィッシング詐欺が57.6%、不正請求メールが49.3%、スパイウェアによるカード番号盗難が33.8%。オークション詐欺に関しては4.6%だった。こうしたことから、オンライン詐欺被害者の大半は、金銭的被害も受けていることがわかる。

 ワンクリック詐欺については、30歳代の72.4%が、金銭を振り込んでいないことが特徴だ。同じ数値を他の世代で見ると、15〜19歳が50.0%、20歳代が46.0%、40歳代が47.1%などと、半数以上がワンクリック詐欺により金銭的な被害を受けている。野々下氏によれば、「多くの30歳代は、企業でセキュリティ教育を受けたり、メディアなどから独自に知識を得ているため、金銭的な被害を受けにくいのでは」と分析する。


オンライン詐欺の実害金額 ワンクリック詐欺の被害金額

オンライン詐欺被害後は泣き寝入りの傾向に

オンライン被害後は泣き寝入りする傾向が見られた
 オンライン詐欺被害後の行動については、「連絡・相談はしなかった」が37.6%で圧倒的に多い。特に、アダルトサイトなどを閲覧していてワンクリック詐欺に遭うケースが多い15〜19歳は、59.5%と半数以上が誰にも相談していなかった。泣き寝入りしなかった例としては、「警察に相談した」が20.7%、「警察に被害届を提出した」が19.0%、「インターネットの掲示板に相談した」が15.8%、「家族など身近な人に相談した」が16.4%など。

 被害後の相談・連絡をしなかった理由としては、「無駄だと思った」が42.3%で最多。以下は「問題になるような被害、金額でないと思った」(30.5%)、「どこに相談・連絡したらよいのかわからなかった」(24.4%)、「被害に遭ったことを知られたくないから」(11.0%)と続いた。

 また、オンライン詐欺の被害相談・連絡後の経過については、「注意することや今後の対策を教えてもらった」が53.3%と、相談後の知識の取得に一定の成果が見られた。その一方で、「調査してもらったが加害者を特定できなかった」(15.2%)や「相談したが解決できなかった」(32.1%)という回答も少なくなかった。なお、「被害を訴えて被害の補償を勝ち取った」という人は、10.8%にとどまった。


被害後に相談・連絡しなかった理由は、「無駄だと思った」が多い オンライン詐欺の被害相談・連絡語の経過

関連情報

URL
  ブロードバンド推進協議会(BBA)
  http://www.bba.or.jp/bba/

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オンライン詐欺の脅威を議論「ワンクリ詐欺は明らかな犯罪行為」(2006/03/29)


( 増田 覚 )
2006/09/27 16:22

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