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(左から)Mozilla Japan理事の砂原秀樹氏、Mozilla Foundation理事およびMozilla Japan理事の伊藤穣一氏、Mozilla Corporation COOのJohn Lilly氏、Mozilla Japan代表理事の瀧田佐登子氏
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Mozilla Japanは17日、次期Webブラウザ「Firefox 2」に関する事前発表会を開催した。Mozilla Foundationの理事を務める伊藤穣一氏は「もしFirefoxが無ければ、おそらくIE7などは無くて『IE6.5』とかがVistaに入っていて、ほとんどIEは変わらずにそのままになっていたのではないか」と語り、イノベージョンが停滞していたWebブラウザ業界を動かしたこともFirefoxの功績であるとアピールした。
米Mozilla CorporationのCOOを務めるJohn Lilly氏は、Firefoxは世界50カ国以上に7,000万人以上のユーザーを獲得し、世界各地で10%以上のシェアに達していると実績を紹介。日本ではシェアが2005年には3.6%と低かったが、2006年には8.9%まで伸びており、一般ユーザーの広がりに加えて公共機関などでの採用実績も増えているとした。
Firefox 2では、タブブラウズ機能の改良や、フィッシング詐欺サイト警告機能、検索キーワードの候補表示機能などを新たに搭載。また、RSSをクリックした場合に、XML形式でなく人間が読めるページとして表示し、オンラインのフィードリーダーサービスなどに容易に登録できるようにするなどの改良を加えている。
Firefox 2は、正式版に向けた製品候補版3(RC3)を17日に公開しており、確認作業が完了後に正式版としてリリースされる。一方、IE7も10月中にリリースが予定されており、IE7ではレンダリングエンジンなどが大幅に変更されることから、コンテンツの互換性などが問題となっている。この点についてLilly氏は、「IE7の登場はFirefoxにとっては朗報であると考えている。多くのWebサイトが、IE6の時代のバグの多かった実装を前提としたものから、より標準化されたHTMLに書き換わることになるからだ」とコメントした。
Firefoxの今後の役割について、伊藤氏は「Mozilla Foundationの使命は、選択とイノベーションを提供すること。インターネットサービスの世界でも次々にイノベーションが起こっているが、Webブラウザの世界でも誰かに独占させないということが重要だ」とコメント。独自の規格やフォーマットで顧客を囲い込もうとした「インターネットバブル1.0」の時代を繰り返さないためにも、Webブラウザと周辺の企業や団体をできる限りオープンな状態に保っていきたいと語った。
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Firefoxの世界シェア
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日本でのFirefoxのシェアは8.9%
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関連情報
■URL
Mozilla Japan
http://www.mozilla-japan.org/
■関連記事
・ 「Firefox 2 RC3」がリリース、RC2から複数のバグを修正(2006/10/17)
( 三柳英樹 )
2006/10/17 18:25
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