米Adobe Systemsは7日、Adobe Flash Playerで使用されているスクリプティング言語であるActionScriptバーチャルマシンのソースコードをMozilla Foundationに提供すると発表した。これを受けてMozillaでは新オープンソースプロジェクト「Tamarin」を立ち上げ、標準準拠のWebアプリケーション開発を支援する。
Mozilla Firefoxでは、次世代のJavaScriptコアエンジンである「SpiderMonkey」で標準規格策定団体ECMAによって策定されたスクリプト言語であるECMAScriptエディション4の最終版を実装する予定で作業を進めてきていた。一方、Adobeが提供したActionScriptバーチャルマシンもECMAScriptと互換性を持っている。そのため、SpiderMonkeyの開発者がTamarinのソースコードにアクセスできるようにし、開発を促進することにしている。
現時点でTamarinバーチャルマシンはECMAScriptエディション3規格に準拠している。これはJavaScript、ActionScript、Microsoft JScriptの共通部分にECMAScriptエディション4規格の一部分を加えたものだ。もともとSpiderMonkeyプロジェクトではECMAScriptエディション4の最終実装を行なうことが目標であったため、両方から結束してTamarinプロジェクトでECMAScriptエディション4の最終実装を行なう計画となった。
ActionScriptはもともと2000年にFlash 5で搭載されたスクリプト言語で、複雑な処理を必要とするFlashコンテンツを作成する際に使用されていた。その後、ActionScriptは改良されていき、今回提供されたActionScript 3.0に対応したバーチャルマシンはAdobe Flash Player 9のコアコンポーネントとなり、メモリ使用の効率化、起動の高速化、優秀なデバッグ機能などを備えるために設計から見直され、開発されている。
また、ActionScriptバーチャルマシンにはActionScriptバイトコードを高速で実行するためのJITコンパイラも備えている。こうした技術が将来的にFirefoxに組み込まれることにより、複雑なインターネットアプリケーションをより迅速に開発し、高速に実行できるようになるだろう。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.mozilla-japan.org/press/releases/2006/11/07/
Tamarin Project(英文)
http://www.mozilla.org/projects/tamarin/
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2006/11/08 12:00
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