|
左から楽天オークションの平尾勇司代表取締役社長、楽天の三木谷浩史代表取締役会長兼社長、NTTドコモの夏野剛執行役員、楽天オークションの舟木徹事業企画グループ長
|
楽天オークションは13日、出品者と落札者が匿名で利用できるエスクローサービス「楽天あんしん取引」に対応したオークションサービス「楽天オークション」を開始した。20日には、NTTドコモ900iシリーズ以降のFOMAを対象にiモード版サービスも開始する。今後、同オークションでは楽天あんしん取引の利用が義務づけられる。なお、同社はこれまで「楽天フリマ」というオークションサービスを提供していたが、今回の新サービス開始に伴い11月24日に楽天オークションに吸収される。
● 匿名エスクローサービスでサービス未体験者にも安心感、潜在顧客を取り込む
|
「楽天あんしん取引」サービスの流れ
|
|
「楽天あんしん取引」で商品が配送されるまでの流れ
|
楽天オークションが手がける楽天あんしん取引は、日本郵政公社が提供する「あて名変換サービス」を活用したもの。出品者と落札者が住所や氏名、口座番号などの個人情報を開示せずに取り引きできるほか、商品と金銭の受け渡しが確実に行なえることが特徴だという。
出品者は、楽天オークションから通知されたオークションIDを送付ラベルに記載した上で、商品を最寄りの郵便局窓口に持ち込む。落札者が楽天オークションの専用口座に入金すると、楽天オークションが郵便局に落札者の氏名や住所などの情報を送信。その後、郵便局側で落札者の住所が記入されている伝票に貼り替え、一般小包(ゆうパック)で商品を配達するという流れだ。配送費用は、ゆうパックの料金のほかに150円が必要となる。
同社がオークション未経験者にオークションの懸念事項を調査したところ、半数以上が「トラブルが怖い」と回答したほか、「商品が届くのか不安」や「登録情報が漏れる心配」を挙げる人が多かったという。楽天オークションの舟木徹事業企画グループ長は、「匿名のエスクローサービスを導入してこれらの不安材料を取り除くことで、これまでオークションを敬遠していた潜在顧客層を取り込める」と分析する。
また、オークション利用者の個人ページ「マイオークション」では、商品の発送や落札代金の振り込みなどの手続きをToDoリストとして表示する機能を搭載。利用者が次にしなければならない行動が一目でわかるため、初心者でも気軽にオークションに参加できるようになるとしている。
iモード限定のサービスとしては、趣味や嗜好が合うユーザーとの情報交換が可能なソーシャルネットワーキングサービス(SNS)機能「オクトモ」を提供。双方の認証を得たユーザーは「オク友」として認証され、自分のオク友が出品した場合にはメールで通知されるようになる。このほか、楽天オークションに空メールを送るだけで入札が可能となる「簡単ID入札」や、iモードの「デコメール」や「メロディ添付メール」を利用した落札通知などの機能も備える。
なお、楽天オークションは、iモードメニューで初となる個人間取引。iモード版サービス開始後は、iMenuから楽天オークションに誘導することで集客を図る。
出品者が1取引につき支払うシステム手数料は、PC版では落札金額の3.15%、iモード版では無料。
|
|
オークション利用者の個人ページ「マイオークション」では、商品の発送や落札代金の振り込みなどの手続きをToDoリストとして表示する機能を搭載
|
iモード限定サービスとして、趣味や嗜好が合うユーザーとの情報交換が可能なSNS機能「オクトモ」を提供
|
● モバイルとPCの境界線がなくなることが楽天オークション成功の鍵
同日都内で開催された記者発表会で、楽天の三木谷浩史代表取締役会長兼社長は、「国内最大のショッピングモールを手がける楽天と、日本ナンバーワンのモバイルキャリアのNTTドコモが手を組み、PCとケータイの両方でオークションビジネスを提供することがミソ。楽天オークションでは『安心』『簡単』『楽しい』という3つがキーワード」とアピールした。現在、PCおよび携帯電話における個人間オークションでは「トップからはだいぶ引き離されている」(三木谷氏)が、2010年には流通総額4,000億円、ユーザー数1,500万人、出品商品1,000万品を目標に、個人間オークション分野で追撃を図る。
また、NTTドコモの夏野剛執行役員は、「MNP(携帯電話番号ポータビリティ)制度の導入もあり、ますます競争力を高めないと今までのシェアを守れない」と述べ、端末とコンテンツを強化する必要性を強調。特にコンテンツでは、「ナップスターと提携したことで、音楽コンテンツを強化。今回のオークションサービスは、コンテンツ強化の最終兵器」と訴えた。PC版とiモード版の利用比率については、「PCで出品してケータイで落札するなど、モバイルとPCの境界線がなくなることが成功の鍵」と分析した。
関連情報
■URL
楽天オークション
http://auction.rakuten.co.jp/
■関連記事
・ 楽天オークション、匿名で利用可能なエスクローサービスを2006年秋に開始(2006/07/06)
・ 楽天とNTTドコモが提携、12月に新会社「楽天オークション」設立(2005/10/11)
( 増田 覚 )
2006/11/13 19:43
- ページの先頭へ-
|