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NTT和田社長、会見で「ひかり電話」の通信障害について謝罪

次世代ネットワークのフィールドトライアル参加企業も明らかに

 NTT(持ち株)は、11月10日に行なった和田紀夫社長による社長会見の要旨を公開した。和田社長は会見の席上で、NTT東日本およびNTT西日本で発生した「ひかり電話」の通信障害について謝罪した。


NTT東西のひかり電話の障害について謝罪。対策プロジェクト発足を発表

 NTT東西でのひかり電話の通信障害について、和田社長は「お客様や関係の皆様に大変なご迷惑をおかけした」と謝罪。「持ち株会社としても今回の件を重く受け止めている」とした上で、NTT東西と持ち株会社などのネットワーク担当者をメンバーとした「光IP電話信頼性向上対策プロジェクト」を立ち上げたことを公表した。

 同プロジェクトでは、ひかり電話の障害再発防止や信頼性の向上を図り、NTT東西間の情報共有を通じて今後想定されるリスクと対策の検討を行なう。また、議論の結果を次世代ネットワークの構築にも活かすという。

 ひかり電話について和田社長は、「現行のIP電話としては非常に品質の高いサービスを安いコストで提供していると考えている」とサービス品質に自信を示した。一方、「大量のIP音声トラフィックを従来の電話網と同程度のレベルで制御できる装置が世の中に存在していない」と不安を示したが、「現存する技術を最大限に活用して最善を尽くしている」と方針を説明した。このほか、ひかり電話の障害による販売ペースへの影響については「受注の落ち込みというような大きなことは起こっていないと把握している」と述べた。


Bフレッツ契約数は500万契約を突破。次世代ネットワークの参加企業も明らかに

 光アクセスサービスの純増数については、11月9日時点で500万契約を突破したことを明らかにした。また、年間計画としている270万契約の純増についても「めどがつきつつある」としたうえで、「下期ではさらにBフレッツの販売促進を行ない、270万契約の純増を確実なものにしたい」と意気込みを表わした。

 また、KDDIと東京電力の光事業統合をはじめとした競合環境の変化については、「当然の動きだろう」とコメント。「CATVも電力系も我々も、設備をうって競争し、同時にサービス展開で競争しているので、そういう動きになるのは当然だと思う」と述べつつも「我々だけにアンバンドルの開放義務を課されており、厳しい面がある」と苦言を呈した。

 光ファイバのコストについては、2005年度のコストは一芯あたり11,000円弱となったことを公表し、現在の貸し出し料金が5,074円であることから赤字であることを明らかにした。和田社長は、「残り1年半で、コストが急激に減少してトータルでペイする状況はない」と考えを表わした上で、「コスト回収を前提に、どういう工夫ができるのを今検討している段階」と説明。「いずれは総務省にも話をしていかなければならないと思っている」と要望を述べた。

 次世代ネットワークのフィールドトライアルについては、日立、松下、ソニー、シスコシステムズ、NEC、BIGLOBEなど、多数の企業から正式な申し込みを受けていることを明らかにした。また、フィールドトライアルで予定している内容については「サービスの質を保証するということを基本に据えようとしている」と述べた上で、ひかり電話の倍の品質となる7kHz帯で提供できるIP電話サービスやテレビ電話、IMSに準拠したショートメッセージサービスといったコミュニケーションサービスを具体例として挙げた。

 また、映像配信サービスについては、H.264を利用したIPTVサービスやVODサービスをはじめ、「著作権とも関係する」としながらも地上波デジタル放送のIP再送信についても検討していることを明らかにした。


関連情報

URL
  NTT社長会見
  http://www.ntt.co.jp/kaiken/index.html

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( 大久保有規彦 )
2006/11/14 14:59

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