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日本国語大辞典 第2版
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小学館とネットアドバンスは14日、「日本国語大辞典」のインターネット配信を行なうと発表した。サービス名は「日国オンライン」で、2007年夏の開始を予定。料金は個人向けが月額1,575円、大学や図書館、企業などの法人向けが月額15,750円。
日国オンラインは、小学館が発刊する国語辞典「日本国語大辞典 第2版」(全13巻)の50万項目100万用例を収録したオンライン辞典。用語の意味や語源だけでなく、初出の用例や隠語までわかる点が特徴だ。現在はシステム開発中で、完成すれば見出し語検索、全文検索、用例検索のほか、品詞や季語、方言などで検索することが可能になる。
日国オンラインは、ネットアドバンスが提供するオンライン辞典「ジャパンナレッジ」のプラットフォームを利用して配信される。ジャパンナレッジは、30種以上の辞書・辞典などを収録し、約350の教育機関や図書館、企業などに導入されているという。ジャパンナレッジでは、より専門的な辞典サービスとして「JKセレクトシリーズ」を展開しており、日国オンラインはその1つとしてラインアップに追加される。
小学館の佐藤宏国語辞典編集長は、「日国を電子媒体で提供しようという声は、第2版の編集中からあったが、総文字数が1億文字もあり、その中にはJISコードで表示できない文字もあることから、デジタルでの商品化は断念していた。最近では、データベースとしてのWebのプラットフォームが整ったほか、Unicodeが一般化しつつある。外字にも対応できるようになり、オンラインでの公開を決定した」と経緯を説明した。
また、発表会のゲストとして招かれた詩人のアーサー・ビナード氏は、「インターネットで調べ物をすると、すぐWikipediaが出てくる。Wikipediaは便利だが、そこに収録されている情報は広く浅いもので、中には勘違いをしている情報も含まれる。インターネットの特性から、勘違いされた情報は猛スピードで広まる。それらの情報を頼りにする状況はまずい。日国オンラインの登場により、同じ時間を費やしてネットで調べるのなら日国を選ぶ」と語った。
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「日本国語大辞典を日本の文化財と考え、途切れることなく育んでいきたい」と語る佐藤編集長
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「日国を引くと用例で言葉の過去を探っていける。それにより、文章を書く上で深みが生まれる」と語る詩人のビナード氏
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関連情報
■URL
日国.NET
http://www.nikkoku.net/
ジャパンナレッジ
http://www.japanknowledge.com/
( 野津 誠 )
2006/11/14 21:05
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