独立行政法人 産業技術総合研究所(産総研)の次世代半導体研究センターは、書き換え可能なハードウェアを用いたウイルスチェックシステムの開発に成功したと発表した。ハードウェアによる高速処理により、10Gbpsの通信データをリアルタイムでチェック可能としている。
産総研では、家庭でも常時接続環境が一般的になる中で、ウイルス対策ソフトをインストールすると動作速度が遅くなるといった理由や、対策ソフトがインストールできない情報家電などがネットワークに接続されるケースが多くなっているとして、ウイルス対策用システムの研究開発に着手。今回、実証システムを開発したとして、概要を公開した。
実証システムでは、回路の書き換えが可能な「FPGA」と呼ばれるLSIを利用して、ハードウェアによるウイルスチェックシステムを実現している。ハードウェアで処理を行なうため高速なチェックが可能で、10Gbps以上の処理性能を持っていることが確認できたという。また、FPGAは書き換えが可能なため、新たなウイルスが登場した場合にも対応でき、実証システムではウイルス情報データベースの更新にあわせてFPGAの更新が自動的に行なわれる。
産総研では、2007年度末まで研究開発作業を進めて完成度を高め、3年から5年以内の実用化を目指すとしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2006/pr20061122/pr20061122.html
( 三柳英樹 )
2006/11/27 16:03
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