Internet Watch logo
記事検索
最新ニュース

Windows Vista対応の「一太郎2007」「ATOK 2007」など2月9日に発売


 ジャストシステムは12日、ワープロ/表計算/グラフィック/日本語入力ソフトのそれぞれ新バージョンとなる「一太郎2007」「三四郎2007」「花子2007」「ATOK 2007 for Windows」を2007年2月9日に発売すると発表した。Windows XP/2000のほか、Windows Vistaにも対応する。


Web上のフォームの文章入力が「一太郎2007」から可能に

「一太郎2007」のパッケージ
 一太郎2007では、ワープロが利用される場面に応じて必要な機能を備えた“フェーズ”と呼ばれる5つのユーザーインターフェイスを用意している。文書の構成などを練るための「アウトライン」、文字の装飾やレイアウトなどを設定するための「基本編集」、文章の校正やスタンプの付与、暗号化などを行なう「提出確認」という3つのフェーズのほか、新たに「エディタ」と「ビューア」というフェーズを搭載した。開いている文書に対する作業内容に応じて、クリック1つでフェーズを切り替えられる。

 エディタフェーズでは、テキストエディタのようなシンプルな表示となる。文頭のスペースなど見出しレベルを自動で判断し、段落スタイルを一括設定できる「見栄えの良い文書に整える」機能、メールなどの文書をコピー&ペーストした際の無駄な改行を一発で削除できる機能などを備える。

 エディタフェーズは、Internet Explorerで閲覧しているWebページの文字入力フォーム上から右クリックメニューで起動することも可能だ。Web上の文字入力フォームは、表示領域が狭く長文が入力しづらい、途中まで入力した文書の保存が行なえないなどの問題があるとし、一太郎2007のエディタフェーズによりこれらを解消できるとしている。作成した文章は、エディタフェーズを閉じるとWeb上のフォームに反映される仕組みだ。ブログやSNSへの投稿時などで利用を想定している。

 ビューアフェーズは、文書の閲覧専用のインターフェイスで、入力や編集は一切行なえない。Wordファイルも閲覧できる。

 ビューアフェーズには、印刷したイメージで表示される「イメージビューア画面」、図や枠などは表示されない「テキストビューア画面」がある。イメージビューア画面の「手のひらモード」では、マウスでつかんでドラッグする方式で文書をスクロール可能だ。また、各ページをサムネイル形式で一覧表示したり、その一部を拡大表示する「虫めがねツール」なども備える。さらにビューアフェーズでは、文書のスライドショー表示も可能で、簡易的なプレゼンテーションソフトとしても利用できる。


「エディタ」フェーズでの表示。各フェーズには、左下のタブをクリックすることで切り替えられる 「ビューア」フェーズでの表示

XPS出力のほか、Windows Vistaのデスクトップ検索・検索フォルダにも対応

Googleとの連携機能
 Webとの連携では、一太郎の文書上のキーワードから、右クリックメニューで「Goolge検索」が行なえるようになった点も挙げられる。このほか、一太郎文書にパスワードを設定する際に、128ビットの暗号化にも対応した。また、WordやPowerPointのファイルとの互換性を高めているという。両形式のファイルの読み込みや、一太郎で作成した文書の両形式での保存の精度をさらに向上させたとしている。さらに、OpenDocumentフォーマットもサポートした。

 Windows Vistaで搭載された新機能もサポートする。具体的には、一太郎文書をXPSで出力できるようになった。また、Windows Vistaで搭載された「デスクトップ検索」機能で一太郎文書も検索の対象になるとともに、同じく「検索フォルダ」が一太郎からも利用できるようになっている。このほか、Windows Vistaに付属するメールソフト「Windows メール」のアドレス帳の取り込みも行なえる。

 一太郎2007の価格は、通常版が21,000円、ジャストシステム製品やMicrosoft Officeなどの登録ユーザー向けの特別優待版が10,290円など。


「ATOK 2007」では、「乗換案内」との連携による駅名辞書など搭載

「ATOK 2007 for Windows」のパッケージ
 ATOK 2007 for Windowsでは、ジャストシステムのATOK Lab.の成果を反映した新変換エンジン「ATOKハイブリッドコア」を搭載し、より自然な変換が可能になったという。ATOK Lab.は、ジャストシステム社内で開発した辞書や技術に加えて、「みんなでつくるATOK辞書」「全国方言WEB ほべりぐ」など社外からの情報も活用しながら自然言語処理技術を研究しているチームだ。

 また、前後の文節から意味を判断して、表示する変換候補の順序を動的に切り替える「最適候補提示機能」を新たに搭載。例えば、「こうじ」と入力した場合、通常は「工事」などの一般名詞が先に候補として表示されるが、「こうじさん」と「さん」付けした場合や、「山本」など苗字に続けて入力した場合などは、「幸二」などの人名が先に表示される。このほか、Windows VistaがJIS X 0213:2004に対応したことにより、表外漢字字体表の情報も表示可能になり、変換候補も選択しやすくなったという。

 さらに「日付入力支援機能」を強化し、「一昨年」「来月」「木曜」などの単語を日付に変換できるようになった。また、新たに搭載した「日付入力パレット」から、カレンダー上で日付を指定して変換・入力することも可能だ。

 ジョルダンの経路探索ソフト「乗換案内」の駅名変換辞書も搭載した。駅名の最初の数文字を入力して正確な駅名に変換できる。「駅名電子辞典」として、その駅の所在地や、地図サイトへのリンクも表示される。

 ATOK 2007 for Windowsは通常版が8,400円、ダウンロード版が6,615円など。このほか、「会社四季報 企業名変換辞書 for ATOK」「明鏡国語辞典・ジーニアス英和/和英辞典 /R.2」「『説得できる英文Eメール200の鉄則』文例」も搭載した「ATOK 2007 for Windows[プレミアム]」もラインアップしており、こちらは通常版が11,550円、ダウンロード版が9,450円など。2月9日には同時に、ATOK 2007に対応した専門用語変換辞書・連携辞典17製品も発売する。


Windows Vistaでは、表外漢字字体表の印刷標準字体への変換も選択しやすくなった 「木曜」と入力して日付に変換する例

「乗換案内」の駅名辞書による変換の例 「ATOK 2007 for Windows[プレミアム]」に搭載されている英文メールの例

オンラインアップデートによるジャスト製品の自動更新が可能に

ジャストシステムの浮川和宣代表取締役社長
 このほかの新製品の価格は、三四郎2007の通常版が5,250円、ダウンロード版が3,675円など。花子2007の書籍セットが10,290円、限定5,000本のATOK 2007セットが10,290円など。また、一太郎2007および花子2007と連携する翻訳ソフト、地図ソフトなど5つのオプション製品も2月9日に発売する予定だ。

 12日に行なわれた記者発表会でジャストシステムの浮川和宣代表取締役社長は、「1年を振り返ると、ブログやSNSなど、インターネットの使われ方も1年前とはだいぶ様変わりした。今後も1年に1回のペースでバージョンアップし、日本語のビジネス環境や日本人にとって心地よい機能を提供し続ける」とコメントした。

 なお、一太郎などのジャストシステム製品については、夏頃から未公表の脆弱性を狙ったゼロデイ攻撃が複数発生したほか、最近も三四郎や花子を含む同社製品の脆弱性が公表されたばかりだ。発表会では、こういったセキュリティ面への対策として、「ジャストシステムオンラインアップデートサービス」を提供することで、自動更新が可能になることも明らかにされた。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.justsystem.co.jp/news/2006l/news/j12121.html
  ニュースリリース
  http://www.justsystem.co.jp/news/2006l/news/j12123.html
  ニュースリリース
  http://www.justsystem.co.jp/news/2006l/news/j12122.html

関連記事
ジャストシステム、プレゼンソフトを2月に新発売、オフィススイートも投入(2006/12/12)
ジャストシステムがATOK 2006発表、一太郎は訴訟を受けアイコン変更(2005/10/31)


( 永沢 茂 )
2006/12/12 21:23

- ページの先頭へ-

INTERNET Watch ホームページ
Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.