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携帯の弊害として「いじめへの悪用」、警察庁の研究会が報告書に盛り込む


 警察庁の「バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会」は、25日にとりまとめた最終報告書の中で、携帯電話が子供にもたらす弊害として、いじめに悪用されている状況を指摘した。

 報告書では、1)携帯電話、2)ゲーム、3)子供を性行為の対象としたコミックの3項目について、社会に及ぼす影響や弊害を検討した結果をとりまとめている。このうち携帯電話については、重要性・緊急性が高いとして、9月に中間報告「携帯電話がもたらす弊害から子どもを守るために」として公表していた。

 中間報告の中でもすでに、その弊害として、子供による携帯電話の悪用による深刻化を指摘していた。具体的には、「相手の気持ちを考えずに誹謗中傷等をメールで仲間内に瞬時に配信して相手を深く傷つける」ことや、暴行した様子を携帯電話で撮影してメールした事例について、「被害画像が瞬時に配信され、被害が拡大・深刻化することがある」と述べていた。

 これに加えて今回の最終報告書では、最近大きな問題になっているとして、「いじめ」という表現が用いられている。「いじめの手段として携帯電話が用いられている」としており、送信者がわからない形で過度に攻撃的な表現のメールが被害自動に送りつけられる例が見られ、送信者がわからないため反論できないまま一方的に攻撃され続けることもあるという。また、携帯電話を用いたいじめの悪質性・危険性が保護者に浸透していないことも指摘している。

 報告書ではこのほか、違法情報や有害情報に子供がささられることや、出会い系サイトなどを通じて子供が被害に遭う恐れ、使い過ぎなどによる子供の成長に好ましくない結果が生じる懸念などを指摘。1)子供に携帯電話を待たせるべきかなど、保護者や学校での議論を喚起し、社会的なコンセンサス作りを早急に進める必要、2)携帯電話がもたらす危険性や、子供に安全な携帯電話を持たせることの必要性について、子供や保護者の間で理解が深まるよう、取り組みを広範・緊急に進めること、3)子供に携帯電話を提供する際には、子供が違法・有害情報に触れないものを提供するなど、携帯電話会社に対して対策の格段の強化を求めていくべき──といった方向性で緊急に対策をとることを求めている。


関連情報

URL
  バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会
  http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen29/Virtual.htm
  バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守るために 最終報告書(PDF)
  http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen29/finalreport.pdf

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( 永沢 茂 )
2006/12/27 20:56

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