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中国互聯網協会、中国インターネット利用者の最新動向を発表


中国のネットカフェの看板
 1月10日、中国互聯網協会(Internet Society of China)は中国におけるインターネット利用者の最新動向を調査した「INTERNET GUIDE 2007中国互聯網調査報告」を発表した。調査は中国互聯網協会の下部組織である「互聯網数据中心(Data Center of The China Internet)」が行なっている。

 発表によると、2006年の個人によるインターネット関連市場の総額は2767億4,600万元(約4兆2,895億6,300万円。1元=15.5円で計算、以下同)で、前回調査時の2005年の市場総額である1,876億5,300万元(約2兆9,086億2,150万円)から47%の増加となった。また、毎月インターネット関連に費やす平均の費用は、インターネット利用代、オンラインショッピング、オンラインゲームなどをあわせて1人あたり169.57元(約2,628円)。前回調査時の157.8元(約2,446円)から7.46%の伸びを示した。利用者数だけでなく、一個人あたりのインターネット支出も増加していることがわかる。

 利用用途別人口では、検索サイトを利用する人が最も多く、1億2,200万人(インターネット利用者全体の89.74%)。以下、ポータルサイトの訪問(1億2,100万人、89.08%)、電子メール(1億1,900万人、87.83%)、インスタントメッセンジャー(1億1,900万人、87.30%)、ダウンロード(1億1,700万人、86.07%)、ニュース閲覧(1億1,700万人、86.07%)と続く。

 以下、すべては紹介し切れないのでいくつかピックアップすると、掲示板(1億900万人、80.33%)、音楽検索(1億600万人、77.74%)、ブログ(1億100万人、74.52%)、IP電話サービス(1億人、73.60%)、ネットゲーム(1億人、73.47%)、オンラインビデオ(9,800万人、72.29%)、オンラインショッピング・オークション(9,300万人、68.43%)、オンラインバンキング(9,200万人、67.56%)、地図サービス(9,000万人、66.26%)、映像共有サイト(7,600万人、56.24%)、オンラインマガジン(6,300万人、46.43%)、オンラインホテル・航空券予約サービス(6,200万人、45.36%)などとなっている。

 中国の人気サービスのベンダー別シェアでは、中国産のサービスがワールドワイドなサービスよりも人気を得ている。検索サイトでは、百度(利用者全体の80.79%が利用)が、グーグル(同36.38%)、ヤフー(同25.99%)を大きく引き離している。

 同様に、インスタントメッセンジャーでは、中国産のQQ(同78.73%)がMSN Messenger(同34.37%)より、オンラインショッピング・オークションサイトでは淘宝網(同55.29%)がeBay(同36.51%)よりも人気が高い。ブログサービスでは、大手ポータルサイト新浪網の1サービスである新浪博客(同32.86%)やQQの提供するサービスのQzone(同19.28%)がMSN Space(同15.80%)よりも人気が高い。総合ポータルサイトでは、中国産のサイトでのシェア争いとなり、新浪網(同55.53%)、網易(同51.31%)、QQを運営する騰訊(同48.02%)の順となった。


 2006年の各サービス別の市場規模では、オンライン広告市場は前年比50.91%増の49.8億元(約772億円)で、今後2年間は毎年50%台の増加を予想している。同様に総合ポータルサイト市場は同23%増の101億元(約1,566億円)で、今後2年間は毎年20%台の成長を予想し、ブログ市場は同85.71%増の6.5億元(約101億円)で、今後2年間は毎年50%程度の増加を予想し、映像共有サイト市場は同110%増の4,000万元(約6億円)で、今後2年間は毎年倍以上の成長を予想し、オンラインゲーム市場は同61.96%増の59.6億元(約924億円)で、今後2年間は毎年20%台の成長を予想している。

 なお、調査サンプルは北京市(調査対象全体の22.7%)と広東省(同10.3%)のインターネット利用者にやや偏っている。北京や上海、広東省など比較的所得の高い地域では、先進的なインターネットのサービスを積極的に利用する傾向がある。また、短大ないし大卒の高学歴者が調査サンプルの半数を越える。

 以上2つの調査サンプルの特徴から、この調査では中国の平均よりも高所得・高学歴層が多いと考えられ、中国における先進的なサービス、例えばオンラインバンキングや、オンラインショッピングなどの利用者数は、実際にはもう少し数字を少なく見積もったほうがいいかもしれない。また、この発表では、中国のインターネット利用者総数については具体的な数字が明記されていないが、上に示したサービスの利用者数と利用率から考えて、2006年末までに1億3,500万人がインターネットを利用したと思われる。


関連情報

URL
  DCCI互聯網数据中心(中文)
  http://www.dcci.com.cn/
  ニュースリリース(簡易版、中文、PDF)
  http://www.internetdigital.org/report/Sample_InternetGuide2006_ChinaInetnetIndustrySurveyReport.pdf


( 山谷剛史 )
2007/01/16 11:18

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