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アドビのアプリケーション実行環境「Apollo」は2007年後半登場


アドビシステムズのギャレット・イルグ代表取締役社長
 アドビシステムズは17日、2006年度の業績および2007年度の事業戦略についての説明会を開催した。説明会では、開発中のアプリケーション実行環境「Apollo」の紹介も行なわれた。

 米Adobe Systemsの2006年度業績は、売上高が25億7,500万ドル、営業利益が9億5,668万ドル、純利益が7億5,254万ドルと、いずれも対前年比で31%以上の増加。これを受けて、2007年度の売上目標は約30億ドルとしている。

 事業別の売上比率は、クリエイティブ市場向けが55%、ナレッジワーカー向け事業が26%、エンタープライズディベロッパー向け事業が7%、モバイル&デバイス向け事業が2%、その他が10%。アドビシステムズのギャレット・イルグ代表取締役社長は、「この中ではモバイル&デバイス向け市場が伸びており、特に日本では重要な事業」とコメントした。

 2007年度の予定としては、「Creative Suite」の次期バージョンや、デジタルフォト管理ソフトの「Photoshop Lightroom」、モバイル向け「Flash Lite」の次期バージョンなど、多数の新製品を市場に投入すると説明。また、開発中のアプリケーション実行環境「Apollo」を紹介し、Apolloは2007年後半には登場する予定だとした。

 Apolloは、FlashをベースとしたWindows、Mac OS、Linuxの各OS上で稼動するアプリケーション実行環境。FlashがWebブラウザ上での動作を前提としているのに対して、Apolloはデスクトップ上で単体のアプリケーションとして動作させることができる。

 Apolloについて、アドビシステムズの太田禎一氏は「Apolloは、Web技術をそのままクロスOSのデスクトップでも利用できるようにする『脱ブラウザ』を実現するもの。Windows Vistaのサイドバーガジェットや、Yahoo!ウィジェット、Mac OS XのDashboardなどへのアドビシステムズの回答である」と説明。Apolloは、HTML(Ajax)、Flash、PDFの技術が統合され、デスクトップ上でインターネットのサービスを利用するアプリケーションの実行環境であるとした。

 会場では実際にApolloを使用したアプリケーションのデモを披露。金融サービスやネットオークション(eBay)向けに作られたアプリケーションを紹介し、インターネット上のサービスと連携するアプリケーションが容易に作成でき、FlashやPDFがアプリケーション内で利用できるといったメリットを紹介した。


開発中のアプリケーション実行環境「Apollo」の概要 HTML(Ajax)やFlashを利用して単体のアプリケーションが作成できる

内容をPDF化することも容易にできる Apolloで開発中の米eBay用アプリケーション

関連情報

URL
  アドビシステムズ
  http://www.adobe.com/jp/


( 三柳英樹 )
2007/01/17 15:52

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