米Appleが発表した携帯電話「iPhone」の1台あたりの粗利益が50%を超える可能性があるとの予測を、米分析会社のiSuppliが18日に発表した。この分析は予備的なもので、最終的な分析結果を得るには出荷されたiPhoneを物理的に分解する必要があるが、1つの参考となるデータにはなりそうだ。
iSuppliの分析によると、iPhoneの4GBバージョンはハードウェアコストの合計が229.85ドルで、これに製造コストを加えると245.83ドルとなる。販売価格の499ドルを考えると利益率は50.7%となる。また、8GBバージョンはハードウェアコストが264.85ドルで製造コストを加えて280.83ドルとなり、販売価格の599ドルから計算すると53.1%の利益率となるという。
AppleはこれまでにもiMacやiPod nanoなどで45%もの利益率を確保しているとされており、今回の分析結果自体は驚くべきことではないが、将来的には音楽機能付き携帯電話市場の激しい競争にさらされて利益率を下げる必要が出てくる可能性についても言及している。
その一方で最も大きな利益を得るのはiPhoneが提携する米携帯電話事業者のCingular Wirelessだという。Cingularでは、携帯電話で一般的な割引販売ではなく、iPhoneを定価で販売することが予測されている。Cingularが得る利益についてiSuppliのマーケットインテリジェンス担当バイスプレジデントのDale Ford氏は「Cingularはこの取引から非常に大きな利益を得そうだ。携帯電話加入者はAppleのiPhoneを入手するためにCingularに乗り換えるかもしれず、従って会社は途方もなく大きい純加入者増を2007年第2四半期に得ることができそうだ」と指摘している。
iSuppliでは、今回iPhoneに関する分析を行なうにあたって、Appleが発表した資料や企業情報、第三者による出版物によって情報を入手し、その後でこれまで多数の製品を分解・分析していた実績によってデータを算出したとしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.isuppli.com/news/default.asp?id=7308&m=1&y=2007
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/01/19 12:04
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