マルタに本拠を置くWebアプリケーションセキュリティ企業Acunetixの米ワシントン事務所は12日、平均すると70%のWebサイトに重大な脆弱性があり、いつ侵入されたり情報を盗まれてもおかしくないとの調査結果を公表した。
AcunetixはWebアプリケーションに関するセキュリティの専門企業として脆弱性スキャナを提供している。これに関連して同社は2006年1月以来、条件を満たすWebサイトに対して脆弱性を発見するために無料自動スキャンサービスを提供してきた。これに対して1万件以上の応募があり、その中からAcunetixは営利企業・非営利企業のWebサイト合計3,200サイトのスキャンを行なった。
その結果、70%のWebサイトに高あるいは中程度の脆弱性が発見された。低程度の脆弱性まで含めると91%のWebサイトで何らかの脆弱性が発見されている。これらの脆弱性の中にはSQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなどの重大なものから、ローカルパスディスクロージャーといったマイナーなものまで含まれている。高あるいは中程度の脆弱性が発見されたWebサイトでは、悪質なハッカーが侵入し情報を盗み出すという危険も十分に考えられる。
この作業過程で合計21万件の脆弱性が発見されたため、平均すると1サイトあたり約66件の脆弱性が発見されたことになる。危険度が高い脆弱性が発見されたWebサイトのうち50%ではSQLインジェクションが発見され、42%でクロスサイトスクリプティングが発見された。そのほかの深刻な脆弱性としてはブラインドSQLインジェクション、CRLFインジェクション、HTTPレスポンススプリッティング、スクリプトソースコードディスクロージャーなども発見されている。
Acunetixのセールス&オペレーション担当バイスプレジデントであるKevin J Vella氏は「この結果は、安全でないWebアプリケーションの問題が完全に無視されていることを明確に示している。この統計により、組織が自分たちのセキュリティインフラに真剣に目を向けることを余儀なくされるだろう」とコメントしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.acunetix.com/news/security-audit-results.htm
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・ Webアプリケーションの7割近くにXSSの脆弱性~ラック調査(2005/05/25)
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/02/14 10:58
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