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楽天、通期決算は増収減益~TBS問題は明言避ける


 楽天は15日、2006年度通期(1~12月)の連結決算を発表した。売上高は前年比55.6%増の2,032億円、営業利益は同16.4%減の291億円、経常利益は同9.0%減の334億円、純利益は同86.1%減の27億円となった。EC事業など主力事業が好調で売上は伸びたが、信販子会社の楽天KCのクレジット事業譲渡に伴う損失などの影響で、利益は大幅に減少した。

 なお、TBSとの提携交渉については、「株価操作につながるとして」一切のコメントを拒否した。


主力事業は好調もクレジット事業譲渡で大幅減益

2006年度通期決算
 記者会見した三木谷浩史社長は、「グループのコアビジネスは順調で右肩上がりを続けている。課題のクレジット・ペイメント事業は、表面的な問題だけでなく根本のDNAから変えたので奏功する」として、2007年度決算への指針を示した。

 事業別売上高では、主力のEC事業が「楽天市場」が順調に成長して、前年比68.7%増の591億円に拡大。トラベル事業は107億円(前年比45.6%増)、証券事業は405億円(同53.0%増)で、いずれも順調に推移した。ポータル・メディア事業は130億円(同38.6%増)で成長したが、新機能開発の投資などの影響で、経常利益は前年比76.0%減の5億円にとどまった。

 事業再構築を進めたクレジット・ペイメント事業は796億円(同68.9%増)だったが、信販子会社である楽天KCのクレジット事業をオリエントコーポレーションに譲渡したことよる損失に加え、貸倒引当金や利息返還損失引当金繰入額などの影響で、営業損益は61億円の赤字、経常損益は54億円の赤字に転じた。プロスポーツ事業は72億円(同1.6%減)だった。

 このほか、経営戦略として掲げる新規事業開発については、「今年中に10以上のサービスが立ち上がる」(三木谷社長)との見込みを示した。


TBSの提携交渉状況に質問が集中するも「コメントは差し控える」

楽天の三木谷浩史社長
 質疑応答では、楽天がみずほ信託銀行に信託していたTBS株の信託期限が2月末で切れることから、TBSとの交渉の進捗状況に関する質問が集中したが、三木谷社長は「株価操作につながる恐れがある」として明言を避けた。信託期間が終了したTBS株の扱いについても、コメントが出されることはなかった。

 楽天は2005年10月、19%超のTBS株を取得して経営統合を図ったが、TBSの反発を受けたことから、同年11月には資本・業務提携に切り替えて交渉を進めていた。その際、楽天がTBS株の約10%をみずほ信託銀行に信託することで、議決権を行使しないことなどを条件にTBSとの交渉が継続された。

 ただし、銀行法の規定では、金融機関が5%超の株式を1年以上保有できないため、TBS株の信託期限は2月末とされ、両社の交渉の行方に注目が集まっていた。


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  投資家向け情報
  http://www.rakuten.co.jp/info/ir/

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( 増田 覚 )
2007/02/15 18:44

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