警察庁情報通信局情報技術解析課は、「情報技術解析平成18年報」をとりまとめた。同庁が運営するセキュリティ情報サイト「@police」で22日に公開した。
警察庁では、観測用として全国の警察施設57カ所に設置しているファイアウォールや不正侵入検知システム(IDS)への不審なアクセス状況などを、「インターネット治安情勢」として毎月とりまとめている。今回のレポートは、2006年のインターネット治安情勢を総括したものとなる。2006年の傾向として、ボットネットの増加やスピア型攻撃の発生などを挙げている。
ボットネットについては、警察庁が2005年1月に運用を開始した「ボットネット観測システム」の分析結果の半年ごとの推移を紹介している。これによると、2005年上半期に観測したボットネットの数は234個だったのが、下半期に196個へ減少したものの、2006年上半期は327個、さらに下半期は473個へと増加している。なお、2006年中に観測したボットネットで最も規模の大きかったものは、約17万台のボットから構成されていたという。
また、2006年におけるボットネットによるDoS攻撃活動が、前年と比べて約3.4倍に急増しているという。攻撃命令の内訳は、UDP Floodが約52%、PING Floodが約29%、SYN Floodが約19%だった。
今回のレポートでは、サイバー犯罪やサイバー攻撃の事例として、「Antinny」「山田オルタナティブ」などの情報流出ウイルスや、ワンクリック請求、詐称メール、スピア型攻撃などを挙げ、それらの解説や対策方法を掲載している。
関連情報
■URL
情報技術解析平成18年報(PDF)
http://www.cyberpolice.go.jp/detect/pdf/H18_nenpo.pdf
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( 永沢 茂 )
2007/02/23 17:47
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